ポーカーでのブラフとは?タイミングやコツを解説

ブラフはポーカーの中で重要なアクションです。多くのゲームでは自分が強い役を作らなければ勝つことが出来ないですが、ポーカーでは何も役がなくても相手をゲームから降ろしてしまえば勝つことが出来ます

今回は、そんなポーカーの根幹を成しているブラフについて詳しく解説します。

ブラフとは

ブラフとは、相手に負けているハンドでベットやレイズをすることを言います。

例えば、以下のように何も役がないQ6でベットするプレイはブラフと言えます。

ブラフには大きく分けてピュアブラフセミブラフの2つがあります。

ピュアブラフ

ピュアブラフは、進展する可能性のないハンドでブラフをすることです。

例えば、先ほどのリバーでのQ6でのベットは、今後新たにカードが開かれることはなく進展する可能性がないため、完全なピュアブラフと言えます。

セミブラフ

セミブラフは、進展する可能性のあるハンドでブラフをすることです。

例えば、フラッシュドローやストレートドローでベットやレイズをすることがセミブラフに当たります。下記のようにあと1枚でフラッシュ完成という場面でベットやレイズをすることは、セミブラフと言えるでしょう。

ピュアブラフはコールされたら負けてしまいますが、セミブラフはコールされても役を完成させれば勝つことが出来ます。

勝つ可能性が残されているためピュアブラフに比べ積極的にベットやレイズをすることが出来ます。

ブラフのメリット

ブラフとはどういうものか知ったところで、ブラフをすることのメリットについて紹介します。

相手の強いハンドを降ろせる

まず当たり前ですが、相手の強いハンドを降ろしてポットを獲得できることです。どんな弱いハンドであろうとポーカーでは相手を降ろすことができれば勝つことができます。

例え相手がAAを持っていようとも、相手を降ろしてしまえば勝ちです。プリフロップでAAを降ることはないですが、フロップ以降ボードとアクション次第では降りることもあります。

相手が勝てる可能性をなくす

先ほどの「相手の強いハンドを降ろせる」と重複する部分もあるのですが、ブラフすることで相手が勝てる可能性をなくすことができます。

どのハンドでもリバー以外のストリートでは強い役になる可能性が残されています。例えば、下記のような状況でもK9には16%ほど勝つ可能性は残されており、その可能性をブラフして降ろすことで消すことができます。

ブラフのデメリット

より多くのチップを失う

ブラフは相手の強いハンドにも勝つことができる唯一の方法である一方、コールされるとより多くのチップを失うことになります。

ブラフをする際に使ったチップがそのまま相手に渡ってしまい、より多くの損失を被ることになります。

ブラフするべきタイミング

ブラフはどういったときにしたら良いのか、まず最初に考えるべき2つのことを紹介します。

多く降りてくれるとき

基本的に相手が多く降りてくれるときはブラフをするべきです。例えばリバーでポットが100bb、お互いの残りのスタックが100bbの時、オールインしたら相手が60%降りてくれるならブラフをするべきです。

このような状況では簡単に計算することができ、ブラフが成功した時に獲得できるチップ>ブラフが失敗したときに失うチップとなれば良いです。

今回のケースでは、ブラフは60%成功するので、100bb(ポット額)×60%=60bb、40%失敗するので、100bb(ブラフの額)×40%=40bb

ブラフによる利益の方が大きいのでブラフした方が良いということになります。

相手の強いハンドが少ないとき

相手の強いハンドが少ないときはブラフの成功率は高まります

ただ強いハンドではなくてもコールを多くしてくるようなプレイヤー、もしくは自分の強いハンドが少ないとわかっていて、相手がブラフをしてくると予想し、多くコールしてくるようなプレイヤーには効果的ではありません。

ブラフとバリューの境界線

ほとんどの状況ではバリューとブラフの境界線は曖昧です。ブラフとは、相手に負けているハンドでベットやレイズすることと記事の最初に言いましたが、相手に負けているとは具体的にどういった状況を指すのでしょうか。

エクイティ(勝率)が50%を下回っているハンドでベットをするとブラフなのでしょうか。そうなるとエクイティ49%でベットするのはブラフで、エクイティ51%でベットするのはバリューとなるのでしょうか。

そう考えてしまうと、すぐにおかしいことに気づきます。リバーで完全に負けているハンドでベットする時を除いてブラフとバリューは曖昧なものです。

場合によっては、セミブラフもバリューの一種とも言えるでしょう。

ブラフで気を付けるべきこと

ブラフする際に気をつけるべき3つのことを紹介します。

相手が多くコールする場合はNG

ブラフは基本するべきアクションですが、コールばかりする初心者相手には要注意です。

降りない相手にはブラフをしても意味がありません。そういった相手を見つけた時は、弱いハンドは諦め、強いハンドを持った時にどんどんチップを取るようにしましょう。

また、大抵のプレイヤーはブラフの頻度がかなり低くなっています。GTOで計算されたブラフ頻度からはかなり離れており、特にリバーやターンでのレイズによるブラフは少なくなっています。

そういった相手にはブラフキャッチをしようとせず、ベットやレイズで抵抗されたら素直にフォールドするようにしましょう。

ブロッカーはほとんど効果がない

ブラフする際はブラフキャッチする際にブロッカーを気にする人が多いですが、基本的には意味がありません

最初に考えるべきことは、相手はブラフしたら降りてくれるのか?たとえコールされることがあってもブラフが利益的なプレイになるのか?ということです。

ブロッカーは最後に考えるべきことで、相手がバランスの取れた戦略をとってくるときだけです。

フロップでコールが多い≠ブラフしない

あるストリートでコールが多いからといってブラフが利益的でなくなるわけではありません。例えばプリフロップでコール過多、フロップもコール過多、ターンはコール過小、リバーもコール過小のプレイヤーがいたとします。

どの頻度でそれぞれコールしているかにもよりますが、このようなプレイヤーにもフロップからブラフが利益的になることは多くあります。

たとえターンまでのコールレンジが広い相手でもリバーで多く降りてくれるならブラフを前のストリートから積極的にすることが利益的となります。

相手の全体的な戦略を考えてブラフするかどうか決めると良いでしょう。

ブラフへの対策

ブラフされた時に重要なのは相手はどういったレンジでブラフをしているのかということです。ハンドをピンポイントで当てられればそれがベストですが、ほとんどのケースで当てることはできません

相手はバリューかもしれないし、ブラフかもしれない。というケースがほとんどでしょう。そんな時は以下の手順でブラフキャッチするかどうか考えます。

オッズに合うかどうかは相手のバリューとブラフの比率に依存します。詳しい内容はブラフキャッチの記事をご覧ください。

まとめ

ブラフについてはSNSやネット上で様々な意見で溢れています。中には、3枚目のスートが揃ったらブラフが有効であるなど根拠のないブラフ方法も見られます。

ブラフが有効かどうかは同じハンドでもシチュエーションによって大きく左右されます。GTOツールを使った解析などブラフが有効な場面かどうかを調べるには様々な手段がありますが、結局のところ、相手が降りすぎてしまうスポットでブラフすれば成功です。

プレイしている中で、相手は自分のレンジをこういう風に認識していて、ここで強いベットのブラフをしたら高確率で降りてくれるだろうなど、様々な仮説を基にブラフをしていきましょう!