【2023年度版】GTO Wizardの使い方や値段、購入方法について解説

ポーカーの学習ツールは年々発展しており、素晴らしいソフトやツールが次々に産まれています。

ポーカーを極めるのであれば、すでに購入したツールや書籍で勉強を続けるだけではなく、最新のツールを調べて使ってみることも必要です。

今回「GTO Wizard」というこれまでのポーカーの学習方法を一新するようなツールを見つけましたのでご紹介します。

このGTOツールを使うことでポーカーとの向き合い方が大きく変わり、初級者から一気に上級者まで成長することができるでしょう。

GTO Wizardとは

GTO Wizardとは、GTOを効率よく学習するためのツールです。

GTOとは?

GTOとは、弱点がなく搾取されない戦略のことを言います。相手がどんなプレイをしてきたとしても負けない戦略であり、相手がミスした分だけ多く勝つことができます。

GTO戦略を学ぶことでポーカーの原則がわかるようになります。

現在、世界中のポーカープロがこのGTOを学んでおり、ポーカーの学習において非常に重要な概念です。GTO Wizardを使うことでGTOを最も簡単に学ぶことができ、ポーカーへの理解が深まります。

GTO Wizardは様々な使い方ができるのですが、まず初めに最も簡単な使い方を紹介します。

BTNでT6を持っていて、他の人が全員フォールド。自分の番が回ってきた時、どうプレイするのが良いのかGTO Wizardを使って調べてみます。

調べてみると、T6はレイズした方が良いということがわかります。上記の画像で赤色で囲われている箇所は全て2.5BBのレイズをします。

どうプレイするべきか悩んだ時に、周りの人に聞くのも良いですが、その意見が正しいのかどうかはわかりません

ポーカーで唯一正しいと言えるものはGTOであり、どうプレイするべきなのか「答え」を得ることができます。

ここまで読んで試してみたいと思った方は、GTO Wizardに登録して無料で使えるプリフロップのレンジを見ることをオススメします。

GTO戦略の注意点

複数のプレイヤーでのナッシュ均衡は近似値であり、期待値は保証されていません。

また、ヘッズアップでもGTO Wizardなどの現在ポーカー界にあるすべてのソルバーはベットサイズを限定しており完璧な答えではありません。

それでも人間が考えるよりはるかに優れたナッシュ均衡(絶対に負けない戦略)をソルバーは導き出すことができます。

※本サイトでは、GTO Wizardとパートナー契約を結んでおり、PokerAcademyのリンクから購入した方は10%オフとなります。

ここからさらに詳しくGTO Wizardについて紹介していきます。

GTO Wizardでできること

GTO Wizardの主要機能である①Study②Practice③Analyzeについて紹介します。

GTO Wizardでは様々なフォーマットが用意されており、キャッシュゲームトーナメント(ChipEV、ICM、バウンティ)Spin & Goなど様々な状況でこれらの機能を使うことができます。

①Study

Studyでは、ある特定の状況においてどうプレイするべきなのか調べることができます。

例えば、UTGでKJを持っていてオープンし、BBがコール。フロップがJ87だった時、どうプレイするべきなのか調べてみます。

実際にこのスポットを調べてみたい方はGTO Wizardに登録し、こちらのリンクからご覧ください。(無料)

下の画像の右下の青色で囲われたKJを見てみると、Check 62.2%、Bet 1.8(33%) 33.8%、Bet 3.65(66%) 4%となっています。

つまりチェックと33%ポットサイズのベット、66%ポットサイズのベットであればどれも正しいアクションとなります。

このように特定のシチュエーションにおいてどういったプレイをするべきだったのかということをStudy機能では調べることができます。

【Study】GTO Wizardの機能紹介

混合戦略について

ポーカーでは互いのレンジを基にナッシュ均衡が計算されており、複数の戦略を正しい頻度で行う必要があります。

理論上は、この頻度が僅かでもズレてしまうと搾取されてしまう可能性があります。

先ほどのKJは、どれも正しいアクションと言いましたが、例えばチェックの頻度が1%でもズレてしまえばエクスプロイトされる可能性があります。

ただ頻度のズレは相手がGTO戦略から逸脱しない限りエクスプロイトされることはありません。

他にもStudy機能にはReportsというものもあり、いわゆる集合分析をすることができます

先ほどは特定のボードにおける戦略を調べましたが、集合分析ではボードにどういった傾向がある時にどういった戦略を使うのか調べることができます。

どういうことかあまり想像がつかないと思いますので、よく言われている「Kハイフロップは全レンジで小さめにCベットをした方が良い」ということに関して正しいかどうか集合分析で検証してみます。

今回はBTN vs BBで、まずはKハイフロップに限らず、全ボードで調べてみます。

すると、BTNは半分以上ベットしていることがわかり、小さいサイズを多く使っています。

これをKハイフロップに絞り込んでみます。

確かに、通常より小さなベットを多く(33.4%)しているもののKハイボードだからと言って100%小さなベットをすれば良いというわけではなさそうです。

ボードによってはオーバーベットを20%以上の頻度(KQ2など)ですることもあり、Kハイフロップだからといって100%小さめにCベットをすることは正しいとは言えなさそうです

このようにReports機能ではボードがどのような傾向である時にどういう戦略になるのかを調べることができます。

ポーカーはフロップだけでも1755種類、これをポジション別にするとさらに増え、全てのボードでの戦略を暗記することは不可能です。

このReports機能を使うことで、より深くポーカーの原則を学ぶことができるようになります。

【Reports】GTO Wizardの集合分析機能を紹介

②Practice

Trainer機能では特定のスポットを練習することが出来ます。

ポーカーをプレイしている中でどこかしら苦手なスポットは出てくるでしょう。GTO Wizardではプレイしたいスポットを指定して徹底的にGTO戦略を学ぶことが出来ます。

様々なシチュエーションに対応しており、フロップのテクスチャを決めたり、ハンドを指定したりと様々なカスタマイズができます。

【Trainer】GTO Wizardのトレーニング機能を紹介

他にも、Range Builderという機能でレンジ全体の戦略を学習することもできます。先ほどのTrainer機能ではハンドごとしか練習できなかったですが、この機能ではレンジ全体の戦略を学ぶことができます。

各アクションをハンドごとに選択し、レンジ全体でどの程度正確性があるのかGTOスコアというもので評価されます。レンジ全体の戦略が気になる方はこのRange Builderを使用してみてください。

【Range Builder】GTO Wizardの機能紹介

また、Statsという機能もあり、これはGTO Wizardでプレイしたハンドやアップロードしたハンドを基に作成されます

このStatsを見ることでどういった時に自分のミスが大きいのか傾向を知ることができます。

大きなミスをしている部分を振り返り、その部分が本当にミスなのか、エクスプロイトとしてやった結果なのかを把握し、もしミスであれば先ほど紹介したPractice機能やRange Builder機能で練習してみてください。

③Analyze

Analyze機能ではプレイしたハンドをまとめて分析することが出来ます。

従来のGTO+やPioSolverといったGTOツールでは各レンジ、アクションを毎回設定して分析をしなければならず、1日に分析出来るハンドはせいぜい数ハンド程度でした。

それに対してGTO WizardのAnalyze機能では、1日に何万ハンドも分析することが出来ます。知らず知らずのうちにミスをしていたプレイも全て改善できます。

分析結果では、EVロス、勝ち額を瞬時に確認出来ます。EVロスのあった部分を見つけ出し、どのプレイがミスだったのか右側に表示してくれます。

ここから先ほどのSolution機能やAnalyze機能に移動することで、更なるプレイの改善に繋がるでしょう。

Analyze機能を使うには分析する対象となるハンド履歴が必要です。GG PokerやPokerStarsなどのハンド履歴が記載されたファイルをアップロードすることで使用できます。

【Analyze】GTO Wizardのハンド解析機能を紹介

GTO Wizardのメリット

GTOツールは、GTO Wizard以外にもPioSolverやGTO+、MonkerSolverといったものがあります。

まだツールを使ったことがない人にはどのツールから使い始めたら良いかわからない人も多いかと思います。そんな人は、安く簡単に始められるGTO Wizardを使うことをオススメします

GTO WizardはWEBで全て操作でき、スマホ、PCなどどのデバイスでも使用することができるので、まずは無料プランで使ってみて、気に入った方は有料プランに移っていくと良いかと思います。

ここからは具体的にGTO Wizardと他のツールとの違いについて紹介していきます。

初期費用が安く、解析時間がいらない

GTO Wizardは、4つのプラン(無料、$49/月、$89/月、$129/月)があり、一見高いように感じられますが他のツールと比較するとかなり安く始められます。

例えば、昔からある有名なGTOツールのPioSolverを使う場合、ソフトウェア購入費の$249(PioSolver 3.0 pro)に加えスペックの良いPCを用意する必要があります。

条件にもよりますが、そういったPCを用意するには最低でも20万円はかかると思います。(筆者はRyzen 7 3800xを中心に自作PCを作って使用していましたが20万円以上かかりました。)

もちろん、GTO Wizardと違い、一度購入すれば永遠と使い続けることはできますが、それでも毎回解析に数分、複雑な設定にしたときは数十分、数時間とかかり、多大な時間を要します。

それに対して、GTO Wizardは既に計算されている結果を表示させているだけなので、すぐに結果が表示されます。ベットサイズやレーキなど設定ができず不安に思う方もいるかもしれませんが、GTO Wizardのライブラリは非常に多くあります。

キャッシュゲームでのライブラリ:スタックサイズやベットサイズ、レーキなど多く選べます

また、GTO Wizard AIを使えばレンジやポットサイズ、ベットサイズを自由に設定することもできます。

学習に必要な教材が多くある

ツールを購入して一番困ることは、学習教材の少なさです。特に最初にソルバーを使ってみるとどのように設定したら良いかわからなく結局使いこなせない人も多くいるでしょう。

その点、GTO Wizardでは多くの教材が用意されており、使い方で困ることはありません

公式のGTO Wizard BlogYouTubeでは無料でたくさんの記事や動画を見ることができます。

また、日本の公式Twitterもありますので困った方はそこで質問してみるのも良いでしょう。

多くの人に使われている

GTO Wizardは世界で最も多くの人に使われているポーカーツールです。YouTubeでポーカーの教材を調べてみると、日本だけではなく世界中で多くのプレイヤーがGTO Wizardを使っていることがわかると思います。

現在GTO WizardはTritonポーカーのスポンサーやPokerGoとのパートナーシップを結んでおり、ポーカープレイヤーであれば誰もが知るツールとなっています。

GTO Wizardの料金プラン

ここまでGTO Wizardがポーカーの学習に必須なツールと言うことをご説明してきましたが、1つ懸念点があるとすれば値段が少々高い点です。

GTO Wizardでできることを考えれば、コスパは十分良いとは思いますが、ポーカーを休日の趣味にしているプレイヤーにとっては少々痛い出費かもしれません。

安心してください、回数制限はありますが、①キャッシュゲーム、②トーナメント(MTT)、③SPIN & GO(別名SNG)、④HU SNGの4種類のゲームは基本的な機能は無料で使い始めることができます。一度無料で試してみて、合っていると思えば、有料プランに切り替えると良いでしょう。

なお以下のリンクから購入する場合、全プラン10%オフで購入することができます。

Free:無料

無料プランでは、以下の機能を使うことができます。

  • プリフロップのソリューション
  • ポストフロップのソリューション(1日1回)
  • プラクティスモード(1日10回)
  • ハンド解析(1ヶ月で5ハンド)

無料プランでもプリフロップのソリューションが見れるのは非常に革新的だと言えるでしょう。以前までは、GTOに基づいたプリフロップのオープンレンジなどは、MonkerSolverやPioSolverなどの解析結果を何十万円も払って購入する必要がありましたが、GTO Wizardはそれらを全て無料で公開しています。

無料登録だけして、プリフロップのソリューションを手に入れるのも良いでしょう。

また、その他の機能も回数制限付きではありますが、お試しで使用することができます。

Starter:49ドル/月

※Hu SnGのみ39ドル/月

Starterプランでは、無料プランで使える機能に加えて以下の機能を使うことができます。

  • ポストフロップのソリューション
  • プラクティスモード
  • ハンド解析(1ヶ月で50ハンド)
  • 基本的な集合分析

ポストフロップのソリューションやプラクティスモードが無制限で使えるようになります。(キャッシュゲームは100BB、MTTは14,25,35,60,80BB)

また、基本的な集合分析(3スポット)も使えるようになります

年間プランも選択することができ、こちらは468ドルとなっており、月額プランよりも20%安く買うことができます。

Premium:89ドル/月

※Hu SnGのみ59ドル/月

プレミアムプランはStarterプランでできる全ての機能に加えて、以下の機能を使うことができます。

  • ハンド解析(1ヶ月10万ハンド)
  • ウィークリーコーチング(ポーカー講座)
  • 集合分析(応用)
  • ブロッカースコア
  • ポストフロップのソリューション(全てのスタックサイズ)

ハンド解析機能は1ヶ月10万ハンドに増えます。また、集合分析や分析できるスタックサイズが本格的にできるようになるのもプレミアムプランの特徴です。

MTTプレイヤーはPKOやICMソリューションを使えるようになります。

プレミアムプランも年間プランを選択することができ、こちらは828ドルとなっています。

Elite:129ドル/月

エリートプランはPremiumプランでできる全ての機能に加えて、GTO Wizard AIの機能を使うことができます。

  • カスタムソルバー
  • 最も高いEVを見つけられるダイナミックモード
  • ノードロック
  • ハンド解析(1ヶ月15万ハンド)
  • AIマルチウェイソルバー(実装予定)

新しく搭載されたGTO Wizard AIを使うためにはエリートプランに加入する必要があります。1種類のフロップ限定ですが、無料で試すこともできます。

ベットサイズの最適化をしたい方、レンジやベットサイズの指定、ノードロックをしたい方にEliteプランはオススメです。

GTO Wizardの購入方法

GTO WizardのHPからアカウント登録をします。「Get started for free」を開いて、

GoogleもしくはFacebookアカウントでアカウント登録をします。

その後、購入したい方はページ上部右側にある「アップグレード」をクリックします。

様々なプランが表示されますので購入したいプランを選択し、クレジットカードもしくはPayPalで決済をすれば購入完了です。

ご不明点ある方は下記の連絡先までご連絡ください。

Twitter:@PokerAcademyJ
メールアドレス:info@pokeracademy.jp

GTO Wizard AIについて

2023年7月、ポーカーのAIとして有名なRuseとGTO Wizard AIが提携し、GTO Wizard AIが誕生しました。GTO Wizard AIはソルバーではなく人工知能が使われており、レンジの指定、ベットサイズの指定、ノードロックなどを行うことができます

中でも特徴的なのがベットサイズの最適化ノードロックです。

ベットサイズの最適化はAIが最適なベットサイズを1つ選んで戦略を作り、簡易化を行うことができます。

ノードロックは相手の戦略を固定(ベットサイズやそのサイズでのレンジを指定する)し、エクスプロイトを行うことができます。

1種類のフロップ限定ですが、無料で使うこともできるのでぜひ試してみてください。

まとめ

GTO Wizardはこれまでの学習方法を一新するような優れたツールです。

ただGTOツールを販売しているだけではなく、GTOツールの使い方、ポーカーの戦略、フェアプレイチェック(RTAがされていないか確認するシステム)などポーカーにまつわる様々なことを行い、ポーカーのエコシステムを形成しています。

さらにポーカーで勝てるようになるためにも、ぜひGTO Wizardを一度使ってみてください。