ポーカーのフォールドすべきタイミングを徹底解説

ポーカーではベット、レイズ、コール、チェック、フォールドといった5つのアクションを適切に行うことが重要です。

この5つのアクションの中でもフォールドは負ける額を最小限に抑えるために必要なアクションです。フォールドを適切に行い、相手の強いハンドからチップを取られないようにしていきましょう。

フォールドとは

ポーカーでのフォールドとはゲームから降りることを意味します。フォールドするとポットを獲得できる権利を失い、それまで賭けていたチップを失います。

フォールドは、ポットを獲得できない代わりに、失う金額を最小限に抑えることができます。

フォールドとはエクイティを放棄すること

フォールドするとエクイティを放棄することになります。ポーカーではとても弱いハンドでもリバー以外では数%は勝つ可能性が残っていることがほとんどです。

例えば、フロップがA93、相手がAK、自分が56だとします。

全く勝ち目のないようにも思えますが、それでも8.89%勝つ可能性が残っています。ターン、リバーでどちらもが出てフラッシュが完成したり、4、7と落ちてストレートが完成したり、5、6と落ちてツーペアが完成したりとあらゆる勝つ可能性がまだ残されています。

しかし、フォールドすると勝つ可能性は0%になってしまいます。もうポットに参加することはできないのでたとえそれらのカードが落ちたとしてもフォールドしてしまったら関係ありません。

つまり、フォールドとは賭け金を増やすのを避ける代わりに、エクイティを放棄する行為だと言えます。

ただし、リバーではエクイティが固定されているためエクイティを放棄するわけではありません。

フォールドする時に考えるべきこと

フォールドをするかどうか迷った際に考えるべき重要なことを紹介します。

相手はブラフしているのかどうか

フォールドするかどうか迷っている時は相手がブラフをしているのかどうかわからない時がほとんどだと思います。

ポーカーは様々なハンド分析の方法やソルバーと呼ばれるもので答えを出してくれるものもありますが、結局のところ相手のハンドに勝っているかどうかです。

「GTOでこのスポットはフォールドになっているからフォールド」としている人がよくいますが、それは相手がGTO戦略でプレイしてきた場合のみです。どんな相手もGTO通りのプレイすることは出来ません。少しのずれがコールするかフォールドするかに傾きますので相手のハンドをよく考えてみてください。

エクイティとオッズ

フォールドするかどうかはエクイティオッズが重要となります。負けているハンドでも、引くことが出来たら勝てるようなハンドを持っていたらコールすることが正当化されることもあります。

例えば、フロップが59Kの時にA3を持っていて、相手がAKを持っているとします。

相手が$100のボットに$100のベットをしたとします。ここで負けているからといってA3をフォールドしてはいけません。

A3はエクイティが37.17%あるのでコールするのに十分な強さがあります。

※オッズの計算は「オッズとアウツとは?計算できるアプリを紹介」をご覧ください

また、フラッシュを完成させられれば相手からさらにチップを奪える可能性もありますのでインプライドオッズもあります。このように相手の強いハンドにも勝てるようなハンドはエクイティが高く評価され、たとえオッズが合わなかったとしてもコールできる場合が多く存在します。

フォールドする際の間違った考え

よく耳にするフォールドに関する3つの間違った考えについて紹介します。

負けていることが多いからフォールドする

1つ目は負けていることが多いからフォールドするという考え方です。この考え方は場合によってはあっているのですが、必ずしも負けているからフォールドするわけではありません。

例えば、ボードが22223で、相手がAA、KK、44を持っており、自分がQQを持っているとします。ポットは$100で相手は$25のベットを毎回するとします。

その際、QQは負けていることが多いからフォールドしてしまって良いのでしょうか?$100のポットに$25のベットなので、オッズを計算すると、$25/$150=16%となります。

QQは相手のベットに3回に1回(44には勝てる)、つまり33%勝つことができるので、十分オッズが合います。

負けていることが多い=フォールドではなく、しっかりと相手のブラフの比率とオッズを計算してフォールドするかどうか検討してください。

自分のハンドがバレるからフォールド

2つ目は、相手に自分のハンドがバレるからフォールドするという考え方です。例えば、十分にブラフキャッチ可能で、相手のブラフが多いとわかっている時に「相手にこのハンドを持っているのをバレると戦略がバレてしまい、今後負けてしまうから今回はフォールドする」といったようなことをよく耳にしますが、基本的に相手に戦略がバレるなら、バレた上でまた戦略を変えればいいだけです。

自分の乖離した戦略がバレる→相手がその戦略に勝てるよう自身の戦略を乖離させる→その乖離した戦略に対して自分の戦略を変えるといったプロセスを踏めば圧倒的に優れた戦略を生み出すことができます。

自分のハンドがバレるからといった理由でその場のEVを放棄しない方が良いでしょう。

MDFだけでフォールド頻度を決める

MDFはMinimum Defense Frequency(最小ディフェンス頻度)という意味で、相手にベットやレイズをされた際、最低何%ディフェンスしなければいけないという指標を表します。

ただこの指標を参考にすると、ディフェンス頻度を間違ってしまうことが多いです。不利なボードではMDFを守る必要はなく、MDF以下でディフェンスします。

例えば、UTGオープン、BTNコールで、KKTのボードでUTGの33%に対して、MDFの19.8%より多い31.7%もフォールドしています。

このボードはそもそもBTNにとって不利で45sや56sのようなゴミハンドが多くあるので守れないのは仕方ありません。

また、ボードの他にポジションやエクイティ分布によってMDFより守らなかったりします。MDFが参考にならないケースは多くあるのであまり使わない方が良いでしょう。

プリフロップでのフォールド

プリフロップでは、ハンドの75%ほどをフォールドします。もちろんこの数字は人数やポジションによって変化します。

※ポジションについて詳しく知りたい方は『ポーカーにおけるポジションの名称、プレイ方法を解説』をご覧ください。

例えば6人でプレイしている時、UTG(一番最初にアクションする人)は82%をフォールドします。続くHJは79%、COは72%、BTNは58%、SBは51%をフォールドします。

UTGの場合:GTOWizard

残り人数が少なければ少ないほどフォールドする割合は少なくなり、積極的にゲームに参加するようになります。どのハンドをフォールドするべきなのか詳しく知りたい方はツールを使って覚えると良いでしょう。

プリフロップのツールはいくつもありますが、中でもGTO Wizardが提供しているプリフロップのチャートはおすすめです。数学的に計算されたチャートは穴がなく、このチャートでプレイするだけでプリフロップはかなり強くなるでしょう。

ポストフロップでのフォールド

ポストフロップでのフォールドは1日の勝ち負けに大きく影響します。正しくフォールドすることで負けを最小限にしていきましょう。

何もハンドがヒットしなかった時

ペアが出来なかったり、ドローが出来なかった時は素直にフォールドしましょう。

このハンドでは、強い役を作れる可能性が少なく、現状ノーペアです。相手のベットも大きいのでフォールドするのが良いです。

それに対して、強いドローがある時はフォールドするべきではないです。あと1枚スペードが来たらフラッシュを完成させられるこの場面でフォールドするのはもったいないでしょう。

ペアがなくても強いドローがある時は、フォールドせずにレイズやコールを選択しましょう。

オッズが合わない時

オッズが合わない時はコールするべきではないです。

例えばこの場面でベットされたらフォールドするべきでしょうか?オッズを計算してみると、37%ほどあればコール出来そうです。

相手がブラフでなければ、こちらはAもしくはQをリバーで引く必要があります。それらを引ける確率は約16%でありオッズに合いません。さらにこちらは不利なポジションであり、ストレートを引けたとしても相手がチェックをしてしまったらチップを更に奪うことが出来ません。

そのためここではフォールドするのが良いでしょう。

ブラフをしないプレイヤーがベットした時

ブラフをしないプレイヤーがベットをした時、自分のハンドが十分な強さを持っていなかったら素直にフォールドするのが良いでしょう。

特にリバーでのレイズでは強いハンドであることが多いです。例えトップペアを持っていたとしても、相手がそれより強いハンドでしかベットやレイズをしない場面ではフォールドすることでチップをより失うことを防げます。

まとめ

フォールドは、ポットを獲得出来る権利を失いますが、最小限に被害を抑えるため重要なアクションです。適切な場所でフォールドすることで1日のポーカーでの勝ち額はより多くなるでしょう!!