ブロッカーとは?使い方を解説
2021年10月28日
ブロッカーを適切に使うと、ブラフとブラフキャッチの成功確率が格段と上がります。
ブロッカーは僅かな期待値の差を争っているプロたちに良く使われている概念です。この記事でブロッカーについて学び、トッププロのレベルへ近づきましょう。
ブロッカーとは、相手が特定のカードを持ちうる可能性をなくす(少なくする)カードのことです。例えば、自分が A♠︎を持っていたら相手は、A♠︎を持ちえないということです。
ブロッカーを考慮する具体的なシチュエーションを見ていきましょう。
ここではPlayer8がA♠︎K❤︎を持っています。そのため相手のAハイフラッシュをブロックしている、つまりA♠︎K❤︎の A♠︎はAハイフラッシュのブロッカーと言えます。
ここでは相手のナッツフラッシュドローは存在しなく、その情報は自分だけが知っているため有利にプレイすることが出来ます。
続いてはブロッカーの使い方を①ブラフ②ブラフキャッチに分けて学んでいきましょう!
ブロッカーを考えることで、対戦相手に勝つ可能性が上がり、どんどんエッジを出すことが出来ます。
ブロッカーの具体的な使い方を2つ紹介します。
ブロッカーを考えることでブラフの成功率が上がります。具体的なシチュエーションを見ていきましょう。
※スタックは互いに100bb
プリフロップ
MP レイズ 2.2bb
SB レイズ 7.85bb A♣︎J❤︎
MP コール
フロップ Q♣︎6♣︎2♠︎ ポット16.7bb
SB ベット 5.51bb(33%)
MP コール
ターン 8♣︎ 27.72bb
SB チェック
MP ベット 9.15bb(33%)
SB コール
リバー T❤︎ 46.02bb
SB チェック
MP ベット 34.51bb(75%)
SB オールイン 72.34bb
このSBのオールインがブロッカーを使ったブラフです。リバーでMPにベットされた時点でSBはショーダウンバリューがないためフォールドかブラフオールインするかどちらかになります。
そこでSBのハンドA♣︎J❤︎を見てみましょう。A♣︎は相手の最も強いハンドAハイフラッシュをブロックしています。
そして、もちろんこちらのレンジにはAハイフラッシュが多く存在しています。そのためここではブロッカーを利用したブラフオールインが有効な場面となります。
※ブラフオールインの注意点として、自分のレンジに強いハンドがない時はブラフをしない方が良いです。あくまで自分のレンジで強いハンドを主張できる時だけブロッカーを使ったブラフをするようにしましょう。
相手のバリューハンドを持っている時に、ブラフキャッチをすることが出来ます。先ほどと同じ状況で今度はJ♣︎J♠︎を持っていたとします。
※スタックは互いに100bb
プリフロップ
MP レイズ 2.2bb
SB レイズ 7.85bb J♣︎J♠︎
MP コール
フロップ Q♣︎6♣︎2♠︎ ポット16.7bb
SB ベット 5.51bb(33%)
MP コール
ターン K❤︎ 27.72bb
SB チェック
MP ベット 9.15bb(33%)
SB コール
リバー T♦︎ 46.02bb
SB チェック
MP ベット 34.51bb(75%)
SB コール
このSBのコールはブロッカーを考慮したアクションです。SBのJ♣︎J♠︎は相手のストレートを作る強いハンドであるJ9やAJをブロックしています。
そのため、相手のバリューハンドは少なくなり、ここではブロッカーを考慮してコールすることが出来ます。
ブロッカーをする上での注意点を紹介します。ブロッカーはある場面では大きな効果を示す一方、ブロッカーにとらわれすぎてしまい、期待値を損なうよなプレイをしてしまうこともあります。
レンジが広い時と初心者相手の時は特に気を付けてください。
レンジが広い時はブロッカーを考慮することが難しいです。ブロッカーが使える場面はリバーの相手のレンジが狭く、ブロッカーの効果が大きくなる時です。
例えばフロップではレンジは全ハンドの20%近くと広い(CO vs BB)ですが、
リバーまでたどり着くころにはハンドはかなり少なくなります。
このようにレンジが狭くなればなるほどブロッカーの影響は大きくなります。ブロッカーを考慮する時はレンジが狭くなっている時に使うと良いです。
フロップのCベットの際にブロッカーを考慮しても効果は薄いです。
初心者相手には、ブロッカーがあるからといってブラフキャッチやブラフをすることは良くありません。初心者の多くはブラフをほとんどしなく、またコールが多いため、ブロッカーを考慮してブラフやブラフキャッチを行ったとしても失敗に終わることが多いです。
ブロッカーを考慮するよりも相手のプレイの仕方を観察してエクスプロイトしていくと良いでしょう。コールが多いプレイヤーならバリューを増やし、ブラフがないプレイヤーにはフォールドを多くしていくと勝てるようになります。
ブロッカーは僅かな期待値の差を求める時にとても有効な考え方です。
しかし、①レンジが広い時、②初心者相手の時にはブロッカーの効果は薄いため気をつけましょう。互いのレンジが狭くなっている時にブラフやブラフキャッチをブロッカーを使いながらしていくと成功しやすいです。
特に対戦相手のナッツブロッカーは上手く働きます。フラッシュ完成ボードでそのマークのAを持っている時はブラフやブラフキャッチを積極的に考えていきましょう。