ブラフキャッチとは?有効な場面を紹介

ポーカーではバリューを取ったり、ブラフをしたりすることも大切ですが、相手のブラフを見極めて捕まえることも大切です。そんなブラフキャッチについて詳しく紹介していきます。

ブラフキャッチとは

ブラフキャッチとは、相手のブラフに勝っているハンドでコールすることです。ブラフキャッチの中には、ただのAハイでコールし勝利することもあります。

出典:PokerStars

ブラフキャッチを上手く成功させれば、キャッシュゲームでもトーナメントでも大きなチップを勝ち取ることが出来ます。実際にブラフキャッチをどうするのか解説していきます。

ブラフキャッチのやり方

リバーでブラフキャッチするかどうか迷った時の考え方について紹介します。これから紹介する4つのステップを踏めば格段にブラフキャッチが上手くなるでしょう!

①ブラフキャッチに十分な強さかどうか

最初に考えるべきことは当たり前ですが、相手のブラフに勝っているかどうかです。

相手のブラフに負けていてもブラフキャッチができるケース(相手のブラフが多く、そのブラフハンドに負けている割合はかなり少ないが、少しはあるというような状況)もありますが、ほとんどのケースでは負けている際にブラフキャッチすることはありません。

ブラフキャッチをする際は、相手のブラフレンジを考えて、自分のハンドが勝っているかどうかを考えます。ブラフキャッチに十分な強さのハンドを持っていた場合は②オッズを考えるに進み、持っていなかった場合は③自分のアクションを考えるに進みます。

②オッズを考える

ブラフキャッチが利益的かどうかは相手のバリューとブラフの割合ベット(レイズ)サイズで決まります。

これがどういうことなのか実際の例を見ながら紹介します。例えば、下記のようにQ7を持っているときに相手からオールインが来たとします。

まずQ7はトップペアであるので相手のブラフには勝っています。勝っていることがわかったので次にオッズを考えます。

相手は200%ポットサイズのベットをしているので5回に2回勝てば良いということになります。つまり、相手の適切なバリューとブラフの割合は60% : 40%となり、この割合よりバリューが多ければフォールド、少なければコールということになります。

※この計算方法がわからない方は「オッズとアウツとは?計算できるアプリを紹介」をご覧ください。

これがどれくらいか感覚的に分かりにくいと思うので視覚化してみます。ほぼ適切な比率でオールインすると下記のようなレンジになります。(紫がバリュー、緑がブラフ)

バリューのコンボ数はボードに出ていているカードによってレンジの見た目より減りますので意外と多くのバリューが必要だと感じるのではないでしょうか。

ここに出てくる数字はプレイ中に暗算することは難しいでしょう。そのため以下の数字を暗記しておくことをおすすめします。

この数字を基にコンボ数を考え、ブラフキャッチするかどうか決めると良いでしょう。

※コンボ数の数え方:ポケットは6コンボ、スートは4コンボ、オフスートは12コンボとなります。ボードに同じ数字が1つ出ていると、ポケットは3コンボ、スートは3コンボ、オフスートは9コンボとなります。

③自分のアクションを考える

ここで初めて自分のアクションを考えます。下記の表を基に考えると、自分のアクションが決まります。

ここで重要なのはレイズの選択肢が残っているとブラフキャッチに十分な強さのハンドではなかったり、オッズが合わなくてもブラフレイズで勝てる可能性が出てくることです。

先ほどの②オッズを考えるの章で行った計算を逆の立場になってすることで、利益的かどうかわかるでしょう。

④ブロッカーを考える

上記の3つをやっても、わからない場合がたまに起こります。そんな時はブロッカーが役に立ちます。

相手の強い役を作れるカードを自分が持っていると、相手は強い役を作りにくくなります。

ブロッカーを考慮したブラフキャッチの例について紹介します。もしあなたがこのハンドをプレイしたらブラフキャッチをするかどうか考えてみてください。

プリフロップ
BTN レイズ 2.5bb KJ
SB レイズ(3bet) 11bb
BTN コール

フロップ J96 ポット 23bb
SB ベット 12.5bb
BTN コール

ターン T ポット48bb
SB ベット 10bb
BTN コール

リバー 2 ポット68bb
SB オールイン 68.5bb
MP ?

ここでのKJはオールインにコールするべきでしょうか?相手はバリューでオールインをするならば、KQのストレート、JJやTT、99、66のセット当たりでしょう。実際にGTOではこれらのハンドをオールインします。

それに対して、BTNのKTはどうでしょうか?Tのただのトップペアであり、相手のオールインのバリューハンドには負けています。

しかし、ブラフキャッチで重要なのは相手のブラフレンジに勝っているかどうかです。ブラフでのオールインはAKやAQなどのハイカードで相手は行います。Jのトップペアはそれらのハンドに勝っており、十分にブラフキャッチできるハンドです。

KJのKは相手のストレートを作るKQのコンボをブロック(減ら)しています。さらに、Jも相手のセットコンボをブロックしています。また、KJは相手のフラッシュドロー逃しでブラフしているハンドをブロックしていません。(=相手のブラフの可能性が減らない)

そのため、KJはブラフキャッチとして適したハンドになります。実際にGTOでもKJはコール(緑色の部分)します。

rake5% 0.6BB cap

ここで注目してほしいのは、AJの方がフォールド割合が高い点です。なぜAJより弱いKJはコールしているのでしょうか?

それは、ブラフキャッチではブロッカーによってコールするかどうか決定するからです。AJはトップペア+Aのキッカーで強いハンドですが、相手のオールインのバリューレンジには勝てません。そのためここでは相手のブラフキャッチに回るハンドです。

ブラフキャッチに適したハンドかどうか見てみると、相手のバリューレンジをJJしかブロックしていないためフォールドの優先度が高いハンドとなります。

このように、ブラフキャッチをする時は、相手のバリューレンジを考えて負けているハンドは、相手のハンドをブロックしているかどうかでブラフキャッチを行うようにしましょう。

ブラフキャッチでのミス

ブラフキャッチは適切に行わないと、多くのチップを失ってしまいます。チップを失わないためにもよくある2つのミスについて解説します。

相手はブラフをするのか

初心者のほとんどはブラフの頻度が少ないです。大きなベットやレイズはバリューに偏っており、ブラフは10回に1回するかどうかです。

そんなプレイヤーにはブラフキャッチをせずに全てフォールドした方が良いでしょう。

例えば、相手がポットサイズのベットをしてきたとします。その際、33%以上勝つことが出来ればブラフキャッチをするべきです。しかし、10回に1回しかブラフをしない相手にブラフキャッチをしたらマイナスになってしまうでしょう。

10回に1回のブラフをキャッチをするためにコールするのはやめて、相手が十分な頻度でブラフ出来ていないと判断したら、ブロッカーなど考えずにフォールドを選択しましょう。ブラフキャッチをしたいがためにコーリングステーションにならないように注意しましょう。

強さ順にコールするわけではない

ブラフキャッチは、相手のブラフレンジに勝っていればハンドの強さは関係ありません

ブラフキャッチは、ワンペアでも場合によってはAハイでもコールすることが出来ます。適切なハンドでブラフキャッチを行えるようにしましょう。

ブラフキャッチ:ブロッカークイズ

ブロッカーを考慮したブラフキャッチについて紹介します。まず最初に考えるべきことはベットサイズに応じた相手のバリューとブラフの比率ですが、それがわからないときや相手がバランスを取れているような時はブロッカーによるブラフキャッチが有効となります。

①ブロッカーになっているか、②相手のブラフハンドをブロックしていないか、③強いハンドになる可能性があるか、④相手のブラフ頻度はどのくらいかの4点を中心に考えていきましょう。

練習問題①

プリフロップ
CO レイズ 2.5bb
BB コール

フロップ JT7 ポット 5.5bb
CO ベット 4bb
BB コール

ターン 3 ポット13.5bb
CO ベット 3.5bb
BB コール

リバー 2 ポット20.5bb
CO ベット 17bb
BB ?

問題:どのハンドがブラフキャッチに適しているでしょうか?

①97

②97

③Q7

④Q7

どれがブラフキャッチに一番適したハンドでしょうか?まず初めに考えるのは相手は大きなベットをしてきているためブロッカーの存在です。ここでは789TJのストレートが一番強いです。それをブロックしているのは、97の9です。

次に考えるのは、相手のブラフハンドをブロックしていないかです。相手はフラッシュをミスしたハンドでブラフをしてきます。そのためは相手のブラフハンドをブロックしているため、の方がブラフキャッチに優れています。

以上から答えは①の97となります。

練習問題②

プリフロップ
BTN レイズ 2.5bb
BB コール

フロップ Q87 ポット 5.5bb
BTN ベット 1.5bb
BB コール

ターン 6 ポット8.5bb
BTN ベット 6.5bb
BB コール

問題:どのハンドがブラフキャッチに適しているでしょうか?

①J8

②97

③K8

④44

この4つのハンドは全てミドルペア以下であり、相手の大きなベットに対してはブラフキャッチに回ります。

先ほどと違う点はまだターンであり、リバーで勝てる可能性があることです。相手のバリューベットに対してリバーで勝てる可能性があるハンドは何でしょうか? ③K8でKと8のツーペアを完成させたり、④44でセットを引くことも出来ますが、それよりも②97のストレートドローを完成させる方が確率が高いです。

また、相手の最も強いハンド、ストレートを9はブロックしているためブラフキャッチにも最適です。

以上から答えは、②97です。

まとめ

ブラフキャッチを適切に行えるとリバーの大きなポットをより勝ち取れるようになります。

しかし、ブラフをほとんどしないプレイヤーには気をつけましょう。対戦相手がどのくらいブラフをするのか見極めて、適切なハンドを選びブラフキャッチをする必要があります。

反対にブラフ頻度が高いプレイヤーには積極的にブラフキャッチをしていくと良いです。相手のバリューハンドをブロックしているハンドであればフォールドする前に一度立ち止まって相手のアクションからレンジを構成し、どのくらいの頻度でバリューとブラフが混ざっているのか考えてみます。

そして、ポットベットあれば、3回に1回以上ブラフキャッチを成功させれば収益はプラスです。オッズと相手のブラフ頻度を考えてブラフキャッチを成功させていきましょう!!