ブラフキャッチとは?有効な場面を紹介
2022年1月20日
ブラフをしたのによくわからないミドルペアでコールされた、、、ということはありませんか?
ミドルペアでブラフキャッチをするのは一見、間違ったプレイに見えますが、状況によってはトップペアよりもミドルペアでコールした方が良いプレイとなることがあります。
今回は、そんなブラフキャッチについて詳しく解説します。
ブラフキャッチとは、相手のブラフに勝っているハンドでコールすることです。ブラフキャッチの中には、ただのAハイでコールし勝利することもあります。
ブラフキャッチを上手く成功させれば、キャッシュゲームでもトーナメントでも大きなチップを勝ち取ることが出来ます。実際にブラフキャッチをどうするのか解説していきます。
ブラフキャッチをする時は、①相手の強いハンドをブロックしているか、②相手のブラフ頻度の2つが重要な要素です。
相手の強いハンドになるハンドを自分が持っていると、相手が強いハンドを作れる可能性が少なくなります。そのため、相手のベットやレイズにバリューハンドが少なくなり、ブラフキャッチの成功する確率が上がります。
※ブロッカーについて詳しい情報は『ブロッカーとは?使い方を解説』をチェック
また、相手のブラフ頻度が高ければコール頻度を上げ、ブラフキャッチをすることでエクスプロイト出来ます。
まずはブロッカーを考慮したブラフキャッチの例について紹介します。もしあなたがこのハンドをプレイしたらブラフキャッチをするかどうか考えてみてください。
プリフロップ
BTN レイズ 2.5bb KJ
SB レイズ(3bet) 11bb
BTN コール
フロップ J96 ポット 23bb
SB ベット 12.5bb
BTN コール
ターン T ポット48bb
SB ベット 10bb
BTN コール
リバー 2 ポット68bb
SB オールイン 68.5bb
MP ?
ここでのKJはオールインにコールするべきでしょうか?相手はバリューでオールインをするならば、KQのストレート、JJやTT、99、66のセット当たりでしょう。実際にGTOではこれらのハンドをオールインします。
それに対して、BTNのKTはどうでしょうか?Tのただのトップペアであり、相手のオールインのバリューハンドには負けています。
しかし、ブラフキャッチで重要なのは相手のブラフレンジに勝っているかどうかです。ブラフでのオールインはAKやAQなどのハイカードで相手は行います。Jのトップペアはそれらのハンドに勝ってあり十分にブラフキャッチできるハンドです。
KJのKは相手のストレートを作るKQのコンボをブロック(減ら)しています。さらに、Jも相手のセットコンボをブロックしています。また、KJのは相手のフラッシュドロー逃しでブラフしているハンドをブロックしていません。(=相手のブラフの可能性が減らない)
そのため、KJはブラフキャッチとして適したハンドになります。実際にGTOでもKJはコール(緑色の部分)します。
ここで注目してほしいのは、AJの方がフォールド割合が高い点です。なぜAJより弱いKJはコールしているのでしょうか?
それは、ブラフキャッチではブロッカーによってコールするかどうか決定するからです。AJはトップペア+Aのキッカーで強いハンドですが、相手のオールインのバリューレンジには勝てません。そのためここでは相手のブラフキャッチに回るハンドです。
ブラフキャッチに適したハンドかどうか見てみると、相手のバリューレンジをJJしかブロックしていないためフォールドの優先度が高いハンドとなります。
このように、ブラフキャッチをする時は、相手のバリューレンジを考えて負けているハンドは、相手のハンドをブロックしているかどうかでブラフキャッチを行うようにしましょう。
ブラフキャッチは適切に行わないと、多くのチップを失ってしまいます。チップを失わないためにもよくある3つのミスについて解説します。
初心者のほとんどのプレイヤーはブラフの頻度が少ないです。大きなベットやレイズはバリューに偏っており、ブラフは10回に1回するかどうかです。
そんなプレイヤーにはブラフキャッチをせずに全てフォールドした方が良いでしょう。
例えば、相手がポットサイズのベットをしてきたとします。その際、33%以上勝つことが出来ればブラフキャッチをするべきです。しかし、10回に1回しかブラフをしない相手にブラフキャッチをしたらマイナスになってしうでしょう。
10回に1回のブラフキャッチをするためにコールするのはやめて、相手が十分な頻度でブラフ出来ていないと判断したら、ブロッカーなど考えずにフォールドを選択しましょう。ブラフキャッチをしたいがためにコーリングステーションにならないように注意しましょう。
ブラフキャッチは、相手のバリューレンジに負けていて、相手のブラフレンジに勝っていればハンドの強さは関係ありません。
ブラフキャッチは、ワンペアでも十分にコールすることが出来ます。
そのため、ブラフキャッチをするのは強さ順ではなく、相手のバリューハンドをブロックしているかどうかです。
適切なハンドでブラフキャッチを行えるようにしましょう。
ブラフキャッチをするかどうか決める際にストーリーがあっているかは確かに重要な要素です。
例えば、フロップでCベットを打たなかったのに、ターン、リバーと大きく打ってきて、怪しいなと思い、ブラフキャッチして成功する場合もあるでしょう。
しかし、ストーリーから判断すにはプレイヤーレベルを注意深く観察する必要があります。初心者のプレイヤーが相手ならば強い手は強く毎回打つというプレイを忠実に守ってプレイします。そのためストーリーが合っていない時にブラフキャッチをして成功することが多いです。
しかし、相手のレベルが上がってくると、強い手もチェックに回して、バランスを取ってきます。チェックしたレンジにもある程度強いハンドを残します。
実際にSB 3bet vs BBコールのシチュエーションでトップセットになった時は、25%くらいの頻度でチェックをします。
プレイヤーレベルが上がり、GTOに近づこうとすればするほど、ストーリーではなくレンジ構成の勝負となります。
相手のレンジはどういったハンドで構成されているのか、強いハンドは何%で弱いハンドは何%か考えながらプレイをする必要があります。
ストーリーがあっているかどうかでブラフキャッチを決める時は相手のプレイヤーレベルを考慮しましょう。初心者など弱いプレイヤーであれば積極的に使っていくことをおすすめします。
ブラフキャッチをするには、経験が重要です。ストーリーから判断する方法も良いですが、対戦相手の傾向に依存するため再現性が薄いです。どのプレイヤーにも使えるブラフキャッチのポイントは、
①ブロッカーになっているか、②相手のブラフハンドをブロックしていないか、③強いハンドになる可能性があるか、④相手のブラフ頻度はどのくらいかの4点を中心に考えていきましょう。
プリフロップ
CO レイズ 2.5bb
BB コール
フロップ JT7 ポット 5.5bb
CO ベット 4bb
BB コール
ターン 3 ポット13.5bb
CO ベット 3.5bb
BB コール
リバー 2 ポット20.5bb
CO ベット 17bb
BB ?
問題:どのハンドがブラフキャッチに適しているでしょうか?
①97
②97
③Q7
④Q7
どれがブラフキャッチに一番適したハンドでしょうか?まず初めに考えるのは相手は大きなベットをしてきているためブロッカーの存在です。ここでは789TJのストレートが一番強いです。それをブロックしているのは、97の9です。
次に考えるのは、相手のブラフハンドをブロックしていないかです。相手はフラッシュをミスしたハンドでブラフをしてきます。そのためは相手のブラフハンドをブロックしているため、の方がブラフキャッチに優れています。
以上から答えは①の ①97 です。
プリフロップ
BTN レイズ 2.5bb
BB コール
フロップ Q87 ポット 5.5bb
BTN ベット 1.5bb
BB コール
ターン 6 ポット8.5bb
BTN ベット 6.5bb
BB コール
問題:どのハンドがブラフキャッチに適しているでしょうか?
①J8
②97
③K8
④44
この4つのハンドは全てミドルペア以下であり、相手の大きなベットに対してはブラフキャッチに回ります。
先ほどと違う点はまだターンであり、リバーで勝てる可能性があることです。相手のバリューベットに対してリバーで勝てる可能性があるハンドは何でしょうか? ③K8でKと8のツーペアを完成させたり、④44でセットを引くことも出来ますが、それよりも②97のストレートドローを完成させる方が確率が高いです。
また、相手の最も強いハンド、ストレートをT9はブロックしているためブラフキャッチにも最適です。
以上から答えは、②97です。
プリフロップ
BTN レイズ 2.5bb
SB リレイズ 10bb
BTN コール
フロップ J94 ポット 21bb
SB ベット 7bb(33%)
BB コール
ターン 2 ポット 35bb
SB ベット 21.5bb(61%)
BTN コール
リバー 5 ポット 139.5bb
SB オールイン 61.5bb(79%)
BTN?
問題:TTはコールとフォールドどちらでしょうか?
条件:対戦相手はアグレッシブと分かっており、フラッシュドロー全てをベットしてきて、ミスしてもオールインしてきます。
相手がGTO通りのプレイヤーならここでのTTはフォールドが正解です。しかし、今回の相手はGTOとは異なります。ドロー系はかなりアグレッシブにプレイし、フラッシュが滑っても全てブラフに回してきます。
このような相手でブラフ頻度が多ければ、コールした方が良いでしょう。
※GTOでは相手のブラフハンドのTを持っているコンボで一部コールしますが、90%以上の割合でフォールドします
そもそもフラッシュを滑ったハンドでブラフするのはあまり良くありません。相手のフラッシュドローをブロックしているため降ろせるハンドが減るからです。
GTOではフラッシュを完成し損なったハンドではブラフせず、KTやQT、T8などストレートを逃したハンドでブラフします。これらのハンドは相手のQJやJTをブロックしており相手のコールレンジを狭めているため良いブラフハンドです。
対戦相手がGTOから外れており、ブラフ頻度が高い時はブラフキャッチが有効となります。このスポットでは対戦相手のブラフ頻度が高いと感じたらブラフキャッチを検討してみると良いです。
対戦相手の傾向が掴めれば、ブロッカーで考えるより大きな結果を生むでしょう。
ブラフキャッチをマスターするとリバーの大きなポットをより勝ち取れるようになります。
しかし、ブラフキャッチにはブラフをほとんどしないプレイヤーには気をつけましょう。対戦相手がどのくらいブラフをするのか見極めて、適切なハンドを選びブラフキャッチをする必要があります。
反対にブラフ頻度が高いプレイヤーには積極的にブラフキャッチをしていくと良いです。相手のバリューハンドをブロックしているハンドであればフォールドする前に一度立ち止まって相手のアクションからレンジを構成し、どのくらいの頻度でバリューとブラフが混ざっているのか考えてみます。
そして、ポットベットあれば、3回に1回以上ブラフキャッチを成功させれば収益はプラスです。オッズと相手のブラフ頻度を考えてブラフキャッチを成功させていきましょう!!