バリューベットとは?サイズや有効な場面を紹介

ポーカーをプレイし始めて最初の方に聞く言葉が、おそらくバリューベットでしょう。

バリューベットは初心者の方から上級者まで幅広い層に使われている最もポーカーで浸透している概念です。そのバリューベットについて詳しく紹介します。

バリューベットとは?

バリューベットとは、対戦相手より強いハンドで行うベットのことを指します。もう少し厳密にいうと、対戦相手よりエクイティを持っている時に行うベットです。

※エクイティについて詳しく知りたい方は『ポーカーにおけるエクイティとは?計算方法を理解しよう』をご覧ください。

例えば、自分がK︎T︎を持っていたとします。その際、対戦相手のA︎9︎よりワンペアで強いため、このベットはバリューベットです。

バリューベットは通常、相手からより多くのチップを引き出すために行うプレイです。

バリューベットとブラフの違い

バリューベットに対立する概念としてブラフがあります。

バリューベットは自分より弱い手にコールしてもらいたいのに対して、ブラフは、自分より強いハンドにフォールドしてもらいたい時に行います。

例えば、Q︎6︎という何も役がないハンドで相手のK︎T︎のスリーカードに対して行うベット/レイズは、ブラフと言います。

ポーカーではバリューベットとブラフというプレイが頻繁に行われます。

ベットサイズはどれくらい?

バリューベットで一番悩ましい点はベットサイズをどれくらいにするかです。

より多くのチップを奪いたいためベットサイズは大きくしたいですが、降りられてしまっては意味がありません。自分より弱い手から最大限チップを引き出すことがバリューベットでは重要となります。

このバリューベットのサイズはボードによって変化します。

ボードがドライであれば、対戦相手にドローを引かれる心配はなく、小さなサイズのバリューベットが選択されやすいです。反対に、ウェットであれば、対戦相手にドローを引かれる可能性が高く、大きなサイズのバリューベットが選択されやすいです。

※ボードについて詳しく知りたい方は『ボードテクスチャは何がある?プレイ方法を解説』をご覧下さい。

ただ一概にバリューベットのサイズを決めることは難しく、対戦相手の弱い手から一番多くチップを引き出せられるサイズを常に状況によって考え続けバリューベットのサイズを決めていくことが重要です。

バリューベットの考慮すべき要素

バリューベットにおいて考慮すべき要素はたくさんありますが、その中でも対戦相手のレベルレンジは非常に重要な要素です。

相手はフィッシュか

対戦相手がフィッシュの場合、あまり強くないハンドでもコールしてくれるため最大限のサイズでバリューベットを打ちましょう。対戦相手がコールしてくれるのであれば、ポットの2倍でもそれ以上でも構いません。

また、ミドルペアでもすべてコールしてくるような相手には、自分がトップペア以上の時を持っていたら大きなバリューベットをどんどん打っていきましょう。そういった相手には自分がストレートやフラッシュといったとても強い役を持っている必要はありません。

まとめると、対戦相手がフィッシュの場合、通常より大きなサイズでバリューベットを打つようにしましょう

フィッシュを見分ける詳しい特徴を知りたい方は『ポーカーにおけるフィッシュの意味とは?特徴や見分け方』をご覧ください。

相手のレンジはどうか

相手のレンジにどういったハンドが含まれているのかで、バリューベットをどのくらい打つのかが決まります。

例えば、相手のレンジにトップペアが多く含まれており、自分がツーペア以上の役を持っている時、大きなサイズでバリューベットを打っても相手はコールしてくれるでしょう。

反対に、自分がトップペアを持っていて、相手にツーペア以上もしくは何もないといったレンジの場合、大きなベットを打っても無意味でしょう。自分より強い手にはコールされて、自分より弱い手には簡単に降りられてしまいます。

相手のレンジがどういったハンドで構成されているのか、どこに向けてバリューベットを打つのか常に考えながらプレイしましょう。

シンバリューベットとは?

自分が微妙なハンドを持っていて、相手に50%以上の確率で勝てる時はシンバリューベットが有効です。

シンバリューベットは相手からほんの少しでも多く勝ち取るために生まれた戦略です。

詳しく知りたい方は『シンバリューベットとは?使い方を解説』をご覧ください。

バリューベットの例

実際にバリューベットはどう行ったらよいのでしょうか?よくある例を2つ紹介します。

プリフロップでレイズして、SBのプレイヤーにコールされました。自分は7︎7︎のオーバーペアを持っています。おそらく相手には勝っており、どのくらいのサイズでベットを行うべきでしょうか?

この場面で7︎7︎はバリューベットを行うのに十分な強さを持っていますが、それと同時にターンやリバーで自分よりランクの高いカードが落ちる可能性が高く、小さく打って簡単に相手にコールされ、ターンやリバーでランクの高いカードを容易に見に行かせたくありません。

そのためここでは比較的大きいサイズ(ポットの75%-100%)で打つ方が良いでしょう。読者の中にはセットやストレート、フラッシュでもないのに大きく打つことに抵抗のある人もいるかもしれません。

しかし、ポーカーでは相手のエクイティの実現を防ぐプレイをすべきです。例えば、AJなど現状は負けているが、ターンやリバーで勝てる可能性が残っている手に対して小さくベットをしてしまうとコールされ、簡単にエクイティを実現させてしまいます。

それを防ぐためにもここでは大きめのサイズでバリューベットを行いましょう。

次は、自分がナッツに近いハンドを持っている時です。

自分はQQQ55のフルハウスいった3番目に強いハンドを持っています。(1番は5555のフォーカード、2番はKK555のフルハウス)

基本的に対戦相手に負けることはありませんので、出来るだけ多くのチップを奪いたいです。どのくらいのサイズにすべきでしょうか?

前提として、相手はプリフロップでコール、フロップ25%ポットベットにコール、ターンは72%ポットベットにコールしています。

そのため、おそらく相手はミドルペア以上は持っていることが想定されます。実際の画面にある通り99もありますし、Kのトップペア、5のスリーカードもあります。

こういった相手のレンジを想定することも重要ですが、自分がナッツ級に強いハンドを持っている時は、大きなサイズ (ポットの75%-100%) のバリューベットを考えた方が良いです。

小さく打ってしまっては、せっかく取れるはずだったバリューを逃してしまいます。自分がナッツ級に強いハンドを持っている時は、対戦相手がコールしてくれるぎりぎりの強いベットをしましょう。

バリューベットとブラフのグレーゾーン

先ほど、バリューベットは、対戦相手よりエクイティを持っている時に行うベットと言いましたが、エクイティが同じくらいの時はどうなのでしょうか?

AA vs 33ののように圧倒的なエクイティの差がある時はバリューとブラフに分けることが出来ます。

しかし、A︎9︎ vs K︎Q︎といったエクイティが54%対46%の時はバリューとブラフに分けることが出来るのでしょうか?これほど僅かな差であるものをバリューとブラフに分けることは難しいでしょう。

バリューとブラフという概念は一見、完璧に分かれているように思えますが、この二元論だけでポーカーを説明することは不可能な場面が多く存在します。

まとめ

バリューベットは相手からより多くのチップを奪うためにとても重要なアクションです。

ブラフの失敗は失ったチップに反省しやすいですが、バリューの取り逃がしは気づきにくいです。本来$100とれるはずが$80しかとれなかった場合、$80を取れたことに一喜一憂するのではなく、$20取れなかったことを反省しましょう。

相手によってどこまで取れるか考えて最大限バリューベットでチップを奪いましょう!