ポラライズってどういう意味?リニアレンジやキャップされたレンジも紹介
2023年9月29日
ポーカーを始めてしばらく経つ人であれば、一度は「ポラライズ」という言葉を聞いたことがないでしょうか。
ポラライズについて詳しくなることで、ポーカーはレンジ対レンジのゲームであることが理解できるようになります。ポーカーの戦略の理解度を1段階アップさせるためにポラライズについて学習していきましょう!
ポラライズとは主にレンジに対して使われる言葉です。強いハンドと弱いハンドに偏っているレンジをポラライズされたレンジと言います。
例えば、リバーで大きなベットをするときはポラライズされたレンジになっていることが多いです。リバーは最後のストリートであり、エクイティが固定されているため、大きなベットをする時はとても強いハンドでバリューを取るか、とても弱いハンドで相手を降ろして勝つかといった状況になっています。
具体的な例をみてみましょう。
下記の状況ではどういったレンジがポラライズしたレンジになるでしょうか。Player6は、$58.5のポットに$75のオーバーベットをしており、かなり大きなベットをしています。
前後のアクションによって異なるとは思いますが、強いハンドといったらAAやQQ、99、AQなどが思い浮かぶのではないでしょうか。逆に弱いハンドは役のないハンドならなんでも当てはまると思います。Player6がフロップやターンでもベットしていたら、フラッシュを逃したハンドやストレートを逃したハンドが多いでしょう。
ポラライズとは、強いハンドと弱いハンドで構成されたレンジのことであり、状況によって「強いハンド」「弱いハンド」の程度は異なりますので注意して使うようにしてください。
ポラライズとはあくまでレンジに対して使う言葉です。ポラライズといった単体の言葉では使われず、元々は英語のPolarized rangeからきているようにあくまでレンジの種類を表す言葉です。
「ポラライズベット」という言葉を使っているのをよく見かけますが、それは単に大きなベットです。ポラライズしたレンジでの大きなベットというのを短縮した言葉として使っているのであれば意味は分かりますが、それ以外のケースでは間違った使い方となります。
また、ポラライズは程度の問題なので、ポラライズしたレンジでの大きなベットはどれくらいのサイズを指すかはポットの大きさと残りのスタックサイズによって異なります。
ポラライズは、大きなベットやレイズをする時に使えます。
自分のレンジがポラライズしており、ナッツアドバンテージがあればあるほど、大きなベットが可能となります。
例えば、 プリフロップでBTNがオープンし、BBがコール。フロップがAQ7となった時、BTNはナッツアドバンテージを持っており、ポラライズしたレンジでの大きなベットが可能となります。
なぜナッツアドバンテージがあるのか?両者のレンジを比較してみます。
※数字は割合を示します。
BTNはAAやQQ、AQを持っているのに対し、BBはそれらのハンドを持っていません(AQoは6%ほどあるが)。
それらのハンドの差がそのままナッツアドバンテージの差となり、BTNは強いハンドと弱いハンド(KTやKJなどのストレートドローなど)で構成されたポラライズしたレンジでの大きなベットをすることができます。
ここで気をつけて欲しいのは、ポラライズしたレンジでの大きなベットができるのはあくまで「ナッツアドバンテージ」がある時です。自分が弱いハンドを持っている可能性もあり、強いハンドを持っている可能性もあるからといって大きなベットをできるわけではありません。
例えば、先ほどのAQ7でBTNが130%ポットサイズの大きなベットをし、ターンで6が落ちたとします。
ここでBTNはフラッシュを持っている可能性もあり、ストレートドローも持っている可能性もあるからといって大きなベット(130%ポットサイズやオールイン)をするのは間違いです。
確かに、BTNはそれらのハンドを持っていますが、「ナッツアドバンテージ」はここではありません。BBはフラッシュを多く持っており、フロップで強かったAAやQQが捲られています。
そのような状況でBTNはポラライズしたレンジでの大きなベット(130%ポットサイズやオールイン)をするのは得策ではなく、一般的に33%~75%程度の大きさのベットを多くします。
ポーカーは自分のレンジと相手のレンジによって戦略が決まります。相手に大きな弱点があってわざとオーバーベットやオールインをするのは良いですが、あくまで基準となる戦略は違うことに注意してください。
ポラライズしたレンジでの大きなベットに興味がある方は「オーバーベットとは?オーバーベット戦略のやり方について解説」をご覧ください。
ポラライズと同様にポーカーでよく使われるリニアレンジ(linear range)とキャップされたレンジ(capped range)について紹介します。
レンジを分類する上でよく使う用語なので覚えておくと良いでしょう。
リニアレンジとは、中程度の強さのハンドからかなり強いハンドで構成されているレンジのことです。
例えば、プリフロップのオープンレンジは、リニアレンジとなります。AAやKKなどの強いハンドに加え、A3sやKJoなどの中程度の強さのハンドもオープンレンジには含まれています。
フロップ以降だと、ワンペア以上のハンドがリニアレンジと言われることが多いです。ポラライズされたレンジとは違いドローもないようなエクイティの低いハンドはリニアレンジには含まれません。
例えば、Q56のボードではQ9やA5以上のハンドで構成されたレンジをリニアレンジと言うことが多いです。
レンジで表すと以下のようになります。
あくまでリニアレンジは中程度の強さのハンドからかなり強いハンドで構成されているレンジであり、「中程度の強さ」というのは状況次第で異なってきます。
キャップされたレンジとは、中程度の強さのハンドで構成されているレンジのことを言います。強いハンドや弱いハンドはキャップされたレンジには含まれません。
相手のベットやレイズにコールした時によくキャップされたレンジになります。
例えば、プリフロップでのBBのコールレンジはキャップされたレンジと言えます。
AAやKKなどの強いハンドは3ベットに回しており、弱いハンドはフォールドしているため、中程度の強さのハンドで構成されていることになります。
フロップ以降では、相手のベットやレイズに対してコールするレンジがキャップされたレンジとなる場合が多いです。
自分のレンジがどういうレンジになっているのか。ポラライズされているのか、はたまたキャップされたレンジになっているのか常に考えることは重要です。
また、相手のレンジはどうなっているのか、例えば、強いハンドがほとんど含まれていないにも関わず、大きなベットをしていたら、ブラフが多いと察知し、中程度のハンドでもコールすることができます。
レンジについて学習したい方は、GTOで計算してみて互いのレンジを考えると効果的です。GTO WizardやPioSOLVER、GTO+などのGTOツールで学習してみてはいかがでしょうか。