ポーカーのヘッズアップ戦略 ハンドレンジで解説

ポーカーのヘッズアップは3人以上のテーブルとは、ボタンとブラインドの位置が異なるため、6人テーブルの戦い方と大きく異なります。そのため、ヘッズアップで強くなるには、ヘッズアップ用に学習をしなくてはなりません。

しかし多くのプレイヤーはヘッズアップの対策を練っていません。そのためヘッズアップの戦略を知っていれば6人テーブルで4人が抜けた場合などに利益を出せるようになるでしょう。

今回はヘッズアップをどのように戦えばいいのかについて、レンジ表を使って解説します。

ヘッズアップとは

この記事を読んでいる方はおそらく知っているとは思いますが、念のため、ヘッズアップとは何かおさらいしておきましょう。

ヘッズアップとは、2人のプレイヤーだけで行われるポーカーのことです。6人テーブルで4人が抜けて2人だけになったシチュエーションや最初から2人のプレイヤーでプレイしている状況だけでなく、プリフロップで2人以外が降りた状況でも使われることがあります。

この記事ではテーブルに2人しかいない状況をヘッズアップと定義します。

ヘッズアップではSBとBTNが同じプレイヤーとなります。カードが配られる順番はBTNが最後になるため、カードはBBから配られ、SBが最後となります。普段はSBが最初なため、戸惑う人も多いのではないでしょうか。

なお、アクションはBTN(SB)からとなります。

ヘッズアップ戦略

ヘッズアップを適切にプレイするには以下の3つを特に意識すると良いでしょう。

  • アグレッシブにプレイする
  • 広いレンジを想定する
  • エクスプロイトを意識する

アグレッシブにプレイする

ヘッズアップは通常のテーブルと比べて、非常にアグレッシブになります。6-maxを普段プレイしている人はそのアグレッシブさに驚くことでしょう。なお、レンジの解析にはGTO Wizardを利用しています。

ヘッズアップではSBとBTNが同じです。普段はSBはOOPになりますが、ヘッズアップの場合、SBはポジションがあるため、非常に広いレンジでブラインドスチールを試みることができます。

このレンジ表はSBの2.5BBでのオープンレンジ(レーキ5% 0.3BB CAP)です。T4o ~ 74o, J3o ~ 43o, Q2o ~ 32o以外はほとんど全てオープンして良いと表示されています。特にスーテッドカードは全てオープン可能です。

このようにヘッズアップでSBは上位80%のハンドでオープンが可能です。

これはSBの2.5BBのオープンに対するBBのディフェンスレンジです。63.6%でディフエンスすることができます。その内、26.5%は3ベットを返すべきと言う結果になりました。

3ベットレンジにQ8oや93s、T4sが含まれているのは驚きですよね。

またこのBBの3ベット(SB 2.5BBオープン、BB 10BBリレイズ)に対するSBのディフェンスも広くなっています。

Q10oは33%、J4sは62.6%も24BBの4ベットを返すことができます。このアグレッシブなレンジは、BBの3ベットレンジが広いと言うこと、そしてSBにポジションがあり、後のストリークで有利に立ち回れるためです。

広いレンジを想定する

SBのオープンに対してBBは63.6%と言う非常に高い確率でディフェンスするため、フロップ以降の相手のレンジは非常に広いものであると認識していなくてはなりません。

一つ例を見てみましょう。

あなたはSBでQ︎9︎を持っており、2.5BBでオープンそれに対してBBがコールしたとします。

フロップ:8︎6︎4

BBチェック SB?

このような場合、相手と自分のレンジが広いため、SBの取りうるアクションは多岐にわたります。レンジ表を見るとさまざまな選択肢が複雑に組み合わさっています。

Cベットを打つか打たないかだけでなく、オーバベットも多く含まれています。

これらの混合戦略は非常に難しいため、慣れないうちは一つにアクションを絞ってシンプルに考えることも必要かもしれません。(上のようなシチュエーションでA8sは1/3potベットのみなど)

エクスプロイトを意識する

6-maxでは特定の相手と戦うシチュエーションはあまり多くはありませんし、自分以外のプレイヤーが戦っているときは待たなくてはなりません。

その点、ヘッズアップは常に相手と戦っている状態ですし、自分と相手以外のプレイヤーが存在しないため、高速でゲームが進行します。また、ヘッズアップは先ほどもご紹介した通り、広いレンジで参加するため、相手の傾向を短期間で読み取ることができます。

例えば、ヘッズアップを普段行わないプレイヤーはプリフロップでの3ベット、4ベットレンジが狭くなっているため、そういった相手から3ベット、4ベットが入った場合は、非常に強いハンドを持っていると判断できるでしょう。

このように、ヘッズアップでは普段よりもよりエクスプロイトを意識した戦略が取れると、ウィンレートをあげることができます。

ヘッズアップを学ぶには

結局のところ、ヘッズアップ戦略については記事一つで語れる内容ではないため、GTO WizardPokerSnowieなどの学習ツールを使い実際に、AIと対戦しながら最適な戦略を覚えていくのが効率の良い学習方法です。

もしそれらのツールを使わない場合、ヘッズアップに挑戦する上で最低限3つのポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • アグレッシブにプレイする。
  • 相手のレンジも広いものであると認識する
  • エクスプロイトを意識する。

ヘッズアップは1対1の勝負ですので、スキル差が出やすいゲームとなっています。そのため、慣れていない状態でチャレンジすれば痛い目を見ますが、逆に訓練すれば勝ちやすいゲームとも言えます。ヘッズアップのスキルは6-maxでも役に立つのでこれを機会に研究してみてはいかがでしょうか。