ポーカーにおけるポットコントロールとは?使わないほうがよい理由

ポーカーにおいてアクションを決める理由に「ポットコントロール」という概念を使うことがあります。

例えば「ここはポットコントロールのためにチェックしておこう」や「ポットコントロールのためにレイズではなくコールしよう」といった使われ方です。

しかし、ポットコントロールはポーカーにおいて有名な概念であるにもかかわらず、あいまいな理解で使うには非常に危険です。

ポットコントロールはポーカーのスキルを上達させる上で無視しても問題ないものではありますが、アミューズメントカジノや少し古い学習本などでよく聞くので、気になる方も多いでしょう。

この記事ではポットコントロールとは何か。なぜ容易に採用するべきではないかについて解説します。

ポットコントロールとは

ポットコントロールはポットのサイズを意識的に大きくしたり、小さくとどめたりすることを指します。

ポーカーにおいてナッツを持っていれば、ポットを最大まで大きくしたいですし、反対に強くもなく弱くもないハンドであれば、ポットを大きくすることは避けたいでしょう。

勝っているときに利益を最大化させ、負けている時には損失を少なくしようとするのは一見自然なように思えます。

ポットコントロールの危険性

少なくとも私はテキサスホールデムにおいてポットコントロールを何らかのアクションを決める理由にすることはありません。

プリフロップ:AA

UTGが6ドルのレイズ、BBコール

フロップ:3Q♥8

BBチェック、UTG1/4potベット、BBコール

ターン: 3Q♥8♥7

BBチェック、UTG?

ターンで7︎という嫌なカードが落ちました。相手のレンジにはフラッシュやツーペアなどが多く存在します。この場合、ポットコントロールという観点から、毎回チェックをすることでポットを小さく保とうとするのはあまり良い判断とは言えないでしょう。

理由は以下のとおりです。

  • フラッシュドローやストレートドローに対してバリューベットが打てる
  • フラッシュドローのエクイティを実現させてしまう。
  • リバーで相手にブラフのチャンスを与えてしまう。

このように、ポットコントロールというテクニックは有効でないシチュエーションが多々あります。

なぜポットコントロールが問題なのか

ポットコントロールが問題になるのは、テキサスホールデムを説明するには抽象的すぎるためだと考えています。

そもそもポーカーはベットやレイズに理由が必要なのであって、何もなければチェックすれば良いのです。

これも自分と相手のレンジによって変わりますが(例えば、全体的にこちらの方がエクイティが高ければレンジ全体でベットするべき)、自分がベットすることで利益的になるような強いハンドを持っているのであれば、シンプルにベットやレイズの割合を増やせばいいのです。強いハンドをチェックする場合は、全てベットしてしまうとチェックレンジに強いハンドがなくなり、相手にエクスプロイトされるためです。

一般によく言われる「ポットコントロールのためにチェックする」ような局面はシンプルに、ベットするほど強くないというだけです。

ポットコントロールが当てはまったように見えるケース

例えば以下のようなケースです。

プリフロップ:77

BTN 3BBオープン、BBコール

フロップ :43J

BBチェック、BTN1/4potベット、BBコール

ターン :43J8

BBチェック、BTN?

このようなシチュエーションではBTNはチェックで回すほうがよいでしょう。これをポットコントロール的な説明だと、ポットを大きくしたくないためとなります。

ある意味正しいですが、ブラフも打ちにくく、ショーダウンバリューがあるため、わざわざベットするほどの強さがないだけです。こちらのほうがアクションの理由を正確に説明できるため、わざわざポットコントロールの概念を利用する必要はないと言えます。

ポットコントロールとの向き合い方

このように、ポットコントロールはアクションの判断材料の一つではありますが、あまり信頼できるものではありません。そのため、ポットコントロールは他の判断材料ではどうしても判断が悩ましいときに、参考にする程度で良いでしょう。そしてその場合、おそらく言語化できていないのできちんと別の言葉で説明できるように勉強しなおしましょう。

ただ、ポーカー初心者はこのようなフワッとした判断基準の方がかえって上手くいくこともあるため、あくまで副次的な手段であることを忘れずに使用するのであれば強く反対する理由もありません。