ポーカーのストラドルとは?ストラドルのメリットや対策方法
2023年9月28日
ストラドルとは、SBやBBと同様のカードが配られる前に行われるブラインドベットのことです。ストラドルをすることでプリフロップのアクションを最後にすることができます。
ベット額はビックブラインドの2倍であることが多いですが、ハウスルールによって違う場合もあります。
この記事ではストラドルのメリットやデメリット、対策方法について詳しく紹介していきます。ストラドルありのテーブルで適切にプレイできる人はまだまだ少なく、ストラドルについて詳しくなるだけでプリフロップから大きな差を生むことができるでしょう。
再度説明しますが、ストラドルとは下記の画像のようにカードが配られる前に行われるブラインドベットです。多くの場合UTG(BBの左隣)のプレイヤーが行い、額はビックブラインドの2倍です。
さらにストラドルをした左隣のプレイヤーが行うリストラドルも存在します。リストラドルの額はストラドルの額の2倍、ビックブラインドの額の4倍です。さらに左隣のプレイヤーがリリストラドルなどもあります。
続いて3種類のストラドル、UTGストラドルとBTNストラドル、ミシシッピストラドルについて紹介します。
UTGストラドルは、UTGというポジションからストラドルを行うことです。このUTGストラドルがストラドルの中で最も一般的です。
UTGストラドルでは、本来UTGというポジションはプリフロップで最初にアクション(正しくはSBとBBのブラインドベットを除けば)をしなければなりませんが、ストラドルをすることで最後にアクションをすることができるようになります。ポストフロップに関しては通常のUTGと同様、BBの後にアクションを行います。
周りのプレイヤーのアクションを見てからアクションをしたいという理由で行うプレイヤーが多いです。
UTGストラドルの次に見られるのがBTNストラドルです。BTNストラドルは、UTGと違いそもそもプリフロップのアクションが最後であるため一見意味はなさそうですが、フロップ以降に進んだ時、ポジションが良い状態でポットを大きくできるという理由でBTNストラドルを使用するプレイヤーもいます。
UTGストラドルとBTNストラドル、どちらのストラドルが行えるかどうかはポーカールームによって異なるため事前にディーラーかフロアの人に確認しておくとよいです。
ミシシッピストラドルは、SBとBB以外のポジションならどこからでも行うことができます。ミシシッピストラドルを行ったプレイヤーがいると、その左隣からプリフロップはスタートします。
例えば、BTNがミシシッピストラドルをするとSBからレイズorコールのアクションがスタートします。
ミシシッピストラドルはほとんどのカジノで採用されておらず、遭遇することはかなり稀でしょう。
海外のカジノに行ってみるとUTGストラドルは頻繁に行われているため、これから海外に行かれる方はこの後紹介するストラドルのデメリットや対策を読み、ストラドルありのテーブルでも勝てるように準備しておきましょう。
一見、アクションを最後にできるため有効な戦略であるように思われますがストラドルは明らかに期待値(EV)を下げるプレイです。
ストラドルは先ほどブラインドベットであると言った通り、カードを見ていない状態でわざわざベットをする必要があります。カードの強さがどれくらいかわからないにも関わらずベットをすることは明らかに期待値を下げるプレイです。
実際に想像してみてください。ポーカーでBBやSBを払わなかったら永遠と勝つことができると思いませんか?AAが来るまでフォールドし続け、AAが来た時にオールインするだけで80%というかなりよい勝率で永遠とチップを増やし続けることができてしまいます。このことからもブラインドベットは損であることがわかります。
多くのハンドをこなしたく、ストラドルをするという欲求はわからなくはありませんが、明らかに期待値を下げるプレイなことを了承の上プレイすることをおすすめします。
先ほどストラドルは期待値を下げる行為なため行わない方がよいと言いましたが、ある条件下ではストラドルは期待値を上げる行為にも変わります。
ストラドルを行うとテーブルで動く金額を上げられるためより稼ぐこともできます。
特にテーブルで全てのプレイヤーがストラドルをする雰囲気になっている際は自分だけがストラドルをせずに雰囲気を悪くするよりも、ストラドルを行いその場の雰囲気を良くして弱いプレイヤーをテーブルにいる状態を続けられれば、普段よりも大きく稼ぐことができます。
ただし、動くお金が2倍ということは負けるお金も2倍になります。単純にレートが2倍に上がるということですから、5/10だと思って着席したテーブルが5/10/20で10/20と変わらないということもあります。
海外カジノでプレイする際は、ストラドルが行われているかどうか事前に確認してテーブルに着席をするとよいでしょう。
ストラドルが入ることでプリフロップの戦略から大きく変わります。普通の6maxや9maxのプリフロップレンジを学習しているプレイヤーは多いですが、ストラドルありのレンジを学習しているプレイヤーはまだまだ少ないです。
特に、SBやBB、STR(ストラドルしたプレイヤーのこと)のポジションは大きく戦略が変わるため、ストラドルがある際の戦略を覚えてしまえば大きな差を生むことができます。
対戦相手に完全に依存しますが、動く金額が大きくなることで対戦相手が大きくミスをする場合はストラドルも一つの手です。対戦相手が金額にプレッシャーを感じており、ストラドルを行い強制的に動く金額を大きくすることで相手はプレッシャーをさらに感じリバーでかなりのオーバーフォールドをしてしまうなど明らかなリークがあるときはストラドルが有効です。
よく相手がタイトであったりパッシブな時はストラドルが有効と言われているのは全て対戦相手が降りすぎてしまうことが原因です。金額が大きくなればなるほどミスも大きくなるため、動く金額を強制的に上げられるストラドルが有効になってきます。
ただ、多くの場合でストラドルによる利益の減少の方が多く、ストラドルをしたいがあまり多く差があると勘違いすることには注意しましょう。
ストラドルが行われるとプリフロップから戦略が大きく変化します。それにも関わらずストラドルがない場合と同じようにプレイしているプレイヤーが多いです。
彼らはどのようにストラドルありのテーブルでプレイしたらよいかわからず期待値を減少させています。適切にプリフロップを学び彼らをエクスプロイトすることで多くの利益を得ることができるでしょう。
また、ストラドルがあるテーブルを見つけたら積極的に参加することをおすすめします。フィッシュがいることが多く、大抵は美味しいテーブルです。強いプレイヤーは自らストラドルを行うことはありませんのでストラドルが行われている=多く勝つことができる絶好のテーブルです。
ストラドルをプレイしたくないからと逃げずに、ストラドルの対策を学び、プリフロップを適切なレンジでプレイして多く勝てるようになりましょう!
ストラドルが入った際は通常の2-3bbのオープンではなく、4.5-6bbほどの大きなサイズでオープンを行います。通常はビックブラインド額の2-3倍を目安としてレイズを行いますが、ストラドルが入った際はストラドル額(2bb)の2~3倍のサイズでオープンをするようにしましょう。
また、SPR(ポットに対するスタック)が減少するため3ベットサイズが小さくなることも注意です。通常4倍+1~2bbくらいのサイズでOOPから行うことが多いですが、100bbなどスタックが多くなければ4倍-1bbくらいが適切なサイズとなることが多いです。
残りスタックがどれくらいか確認して3betや4betの額を調整するようにしてください。
ストラドルがあるテーブルではSB、BBからのリンプも選択肢としてあります。特にBBからのリンプは頻繁に行われ、リンプ→3betのレンジを適切に行うことでバランスの取れたレンジを構築できます。
ストラドルを知らないプレイヤーはBBやUTG(STR)からオーバーフォールドしたり、UTG(STR)から適切なレンジで3betができておらず強いレンジで行っていることが多いです。
対戦相手のよくあるレンジの勘違いからエクスプロイトすると大きな利益を得ることができるでしょう。
ストラドルが入るとSPRが減少します。オープンサイズが2.5bbオープンから5bbオープンに変わり、ブラインド額の合計が増えます。例えば、100bbのスタックでBTNオープン→BBコールでストラドルなしの場合は、ポットが5.5bb、SPRが18。ストラドルありの場合はポットが12.5bb、SPRが8になります。
その際投機的なハンド、56sや33のようなハンドの価値は下がり、ブロードウェイのハンドKJoやKQoの価値が上がります。
またポジションの優位性も低下します。SPRが大きい状態ではBTNなど有利なポジションでは多くのハンドで参加できますが、SPRが低い状態では参加率が減少します。実際に200bbと20bbのスタックの違いある時のBTNのオープンレンジを見てみると、
200bbではBTNのオープンは47.2%に対し、
20bbでは33.5%と13%以上減少します。さらにレイズサイズが小さくなっていることにも注意です。
ハンドの詳細を見てみると、J6sや74sなど投機的なハンドが減少し、A4oやQ9oなどハイカードの数字が大きいハンドはあまり減少していないことが見てわかります。
他にも3betのハンドの選択も変わります。200bbと100bbの際のBTNに対するSB3ベットに関して比較しています。
200bbでは下記の通りレンジのうち、11.1%を11bbのサイズで3ベットし、7.7%でコール。合計18.8%のレンジでディフェンスしています。
それに対して、100bbではレンジのうち、14.2%を12bbのサイズで3ベットし、1.6%の頻度でコール。合計15.8%のレンジでディフェンスしています。
ストラドルが入った際は、ポケットやスーテッドコネクター(56sなど)、AxsやKxsなど強い役が作れる可能性のある投機的なハンドの頻度が減少し、代わりにAToやKJoなどブロードウェイ系のハンドで多く参加するようになること、ポジションの優位性が減少し参加頻度が下がることに注意してください。
ストラドルが入った際のプリフロップレンジを知りたい方は「GTO Wizard」をオススメします。ストラドル+アンティのプランでは、下記の状況でのプリフロップレンジに加えフロップ以降も分析することができます。
ストラドルを自発的に行うことは期待値を下げることにつながります。ただし、テーブル全員がストラドルをしている際は場の雰囲気を損ねないためストラドルをすることをおすすめします。ポーカーは人間対人間のスポーツであり、ストラドルを断ると魚の機嫌を損ねることや美味しい卓に呼ばれない危険性があります。
また、ストラドルを行う際はプリフロップの参加ハンドの変化に注目する必要があります。SPRが下がるため、ポジションの優位性が減少して参加頻度が減少し、その結果K2sや46sなどの投擲的なハンドの参加頻度が下がります。
ストラドルが行われた際は、対戦相手と差を生む絶好のチャンスです。適切な参加ハンドを学び、エクスプロイトして大きく勝てるようになりましょう!