ポーカーにおけるリンプとは?リンプインへの対策や戦略を解説
2023年10月13日
リンプとは何かご存知でしょうか?リンプはポーカー初心者の多くがやってしまいがちで勝てないプレイの1つと言われています。
今回はそんなリンプについて紹介していきます。
本記事の内容は動画でもご覧いただけます。テキストよりも動画のほうが理解しやすいという方はぜひご覧ください。
リンプとは、プリフロップでビックブラインドにコールするアクションのことを言います。正式名称はリンプインと呼ばれています。
下記の画像で赤い丸で囲まれたスポットがリンプです。ビックブラインドと同じ額を出しており(コール)、このアクションをリンプと言います。
リンプは、安く参加できるため、初心者の方がよく使うアクションの1つですが、利益的ではないプレイとされています。次の章でリンプはなぜダメなのか説明していきます。
リンプがダメな理由は相手のエクイティを削ることができないからです。言い換えると、どんなカードでも少なからず勝率はあり、そういったハンドで勝つ可能性を高めてしまうためリンプは優れた戦略とは言えません。
よくある疑問の1つに、とても強いハンドを持っている時、例えばAAなど。その際はリンプして相手にフロップを見させて何かヒットさせることができたらよりチップを相手から奪えるのではないかと主張する人もいます。
ただ逆も然りでプリフロップでレイズしていたらより多くのチップをとれたかもしれません。また、AAやKKでしかリンプをしなかったら相手に簡単にハンドを推測させてしまって降りられてしまうかもしれません。
これはどちらが正しいのでしょうか。この問題は数学的に答えが出ており、基本的にはレイズして参加するべきです。プリフロップでは、2bb~3bbほどのサイズでレイズすることが勧められています。
※プリフロップのレンジについて知りたい方は「プリフロップの参加率はどのくらい?オープンするハンドレンジを徹底解説」をご覧ください。
ただ特定の条件下ではリンプが正しいとされています。次の章ではリンプが有効な時について紹介していきます。
リンプが有効な時は、①スタックが少ない時、②SBの時、③デッドマネーが多い時です。
ただ、どの場合もリンプを用いない戦略であってもそこまでEVを失うことはありません。初心者の方はまずレイズをすることをおすすめします。
特に10bb以下のHUでは、リンプを多用します。プリフロップで最初にアクションするSB(BTN)はポジションがあるためフロップ以降優位に戦うことができます。
そのためより多くのハンドで参加できるようになるリンプの選択肢は魅力的になります。キャッシュゲームやトーナメントHUをやっている際にスタックが少なくなった時はリンプを取り入れてみると良いでしょう。
ただし、3人以上残っているトーナメントでは、チップを獲得することよりも失わないことが重視されるため、スタックが少ない時でもリンプせずにオールインをして相手を降ろすといった状況が多く起こります。
他の人が全員フォールドし、SBまで回ってきた時はHUになることが確定しているため、リンプを使うことが多くなります。(ストラドルがある場合は除く)
UTGなど最初の方にアクションするポジションではリンプしてしまうと、より多くのプレイヤーに参加されてしまうためリンプはしませんが、SBでは残る相手はBBだけです。
リンプをする際は様々なハンドでリンプとレイズの混合戦略とし、バランスをとっています。
弱いハンドはリンプ、強いハンドはレイズと分けてしまうと相手に簡単にハンドを推測されてしまうため、様々なハンドで行いながらバランスをとるようにリンプをすると良いでしょう。
ただ、リンプをしないレイズのみの戦略をとったとしてもあまりEVは下がりません。まだプリフロップの戦略が怪しい方はレイズのみの戦略とすることをお勧めします。
既にポットに入っている金額が大きい時はリンプを用いることがあります。例えば、6人テーブルで皆が強制的に10bbを支払うゲームがあったとします。
その際、UTGなどほぼ全てのポジションでリンプをすることが推奨されます。
ただし、強制的に10bbを支払い、デッドマネーが100bbあるような状況はほとんど起こりません。
相手がバランスのとれた優れたリンプを行ってきている場合は、GTO Wizardなどのレンジ表に従えば良いですが、ほとんどの場合においてリンプをするプレイヤーの戦略は偏っており、自身の戦略を調整することで多く勝つことができます。
ここではアミューズメントカジノやライブカジノの低レートでよく見かけるプレイヤーに対するリンプへの対策を紹介します。
リンパーに対しては基本的にタイトにレイズすることをお勧めします。リンパーがいなかった場合のレイズレンジくらい、もしくは少し狭める程度で良いと思います。
リンパーのリンプレンジは弱い場合がほとんどです。その弱いハンドとより多くのポットで戦えるように4bb~5bbほどのレイズをしましょう。
リンパーがレイズに対して降りすぎていたり、ポストフロップで大きなミスをしてしまうとわかっている時は通常のオープンレンジより広げてレイズしても問題ないでしょう。
ただし広すぎてしまうと、他の強いプレイヤーから3betをされ攻撃される可能性があります。対戦相手はリンパーだけではなく、テーブルの全員です。たとえリンパーがかなり弱かったとしても周りの状況を見ながらどれくらいルースにするか決めるのが良いでしょう。
リンプはほとんどの場合、よくない戦略です。ポーカーで少しでも勝ちたい人はリンプはすぐ止めてレイズするようにしましょう。
逆にリンプを見かけたらそこは絶好のテーブルです。自分にチップをくれる最高の客だと思い、リンプに対してレイズし、期待値を積み重ねていきましょう。