チップダンピングとは?JOPT20GFでの事件も解説

ポーカーは対人のゲームです。そのため、ゲームに参加する人それぞれが楽しく、公平にプレイできなくてはなりません。そのため、公平性を欠くような行動はルールによって明確に禁止されています。

チップダンピングはそのうちの一つです。悪質な反則行為としてほとんどすべてのポーカートーナメントで禁止されています。

JOPT20GFではチップダンピングをしたプレイヤーが2位となり、プレイズを獲得していたことが発覚し問題となりました。

今回はチップダンピングとは何なのか、なぜそれが公平性を欠くのか、どういう局面で起こってしまうのかについてJOPTで実際に起きてしまった例を取り上げて、解説します。

チップダンピングとは

チップダンピングとは、同じテーブルに座っている別のプレイヤーと協力して、故意にチップを受け渡しする行為のことを指します。

ポーカーではこういった共謀行為は総じてタブーとされています。

チップダンピングの具体例

例えば、とあるトーナメントに参加しているSBのプレイヤーとBBのプレイヤーが友人だとしましょう。SBは1000チップしか持っておらず、飛びそうな状態だとします。BBは1000持っており、SBの友人にチップを渡したいと考えたとしましょう。

SBが12ドルのレイズをし、BBはそれに対して75ドルの3betを返します。それに対して、SBは4betオールインを返します。そしてBBはフォールドします。

このようにポットを意図的に吊り上げるフォールドすることで、無事75ドルがBBからSBへと渡りました。

これがチップダンピングです。

チップダンピングはなぜ禁止されているのか

チップダンピングは不正行為です。

トーナメントでこの行為を一度でも行った場合、それだけで即時失格となることもあります。

それはチップダンピングのような共謀行為は一人でプレイすることを前提としているポーカーのルールや精神に反しているためです。

トーナメントでは公平性を著しく損いますし、キャッシュゲームであれば、マネーロンダリングの疑惑も生まれます。なにより、真剣にポーカーをプレイしているプレイヤーに対して失礼でしょう。

多くのカジノではディーラーや警備員がこれらの行為を監視しており、チップダンピングを行うことは容易ではありません。しかし、大規模なトーナメントなどではこれらの行為を監視するのはむずかしいといえます。

現に、2021年7月21日に行われた、JOPT Season 20: Grand Final Day 2でチップダンピングが問題となりました。

JOPTチップダンピング事件とは

JOPT20では新しい取り組みとして、スプリンター賞という副賞を用意しており、これは30万、100万チップに初めて達したプレイヤーに対して、GGpokerドルを渡すというものでした。

この副賞を得るために、85万点持っていたプレイヤーが16万点を別のプレイヤーから受け取るチップダンピングが行われこれが問題となりました。

規定チップ数(30万点・100万点)に達したプレイヤー各3名を表彰する新しい取り組み「スプリンター賞」の獲得方法について、プレイヤーから「意図的にチップ渡して賞を獲得し、その賞をディールできるか?」と質問がありました。これに対して、フロアパーソンは「ディールはできない。送られるゲームマネーはプレイヤーのアカウントに入るため、その後は認知しない」と回答しました

この回答を受けてプレイヤーは、同じテーブルのプレイヤーに対して「チップを一時的に貸して欲しい。スプリンター賞のプライズは、チップ量に応じてディールしよう」と持ちかけ、合意したプレイヤーとの間で16万点のチップダンピングが行われました。

不正行為があったゲームでポットが授与され、次のゲームのハンドが配られた状態で、同じテーブルのプレイヤーから異議があったため、ゲームが止められた状態で、フロアパーソンが呼ばれ、トーナメントディレクターが呼ばれ、次のような裁定がありました。

https://japanopenpoker.com/archives/87255

処分としては、スプリンター賞の獲得資格の喪失、JOPTの6ヵ月間の参加資格はく奪(チップを渡した側は3ヵ月)となりました。

時系列

1,DAY1にて、ユチョン氏(チップダンピングをしたプレイヤー)と同じテーブルに30万点に到達しそうなプレイヤーがおり、フロア対して「故意にチップを渡して賞を獲得し、その賞をディールできるか?」という旨の質問をした。
2,フロアパーソンが、質問に回答したが、ここでユチョン氏とフロアとの間で齟齬があった。(フロアはダンピングは当然ダメであるが、おくられたGGpokerドルをどう使うかは自由という意味であったが、ユチョン氏はチップダンピングが問題ないものであると判断した)
3,DAY2にてユチョン氏は85万点を所持しており、同卓しているプレイヤーAに16万点を貸してほしいと以下の条件で依頼し、Aはこれを了承した。

  • Aがユチョン氏にチップを一時的に渡す
  • ユチョン氏がスプリンター賞を獲得したのち、チップ比に応じてGGpokerドルを山分けする。

4,ユチョン氏とAはチップダンピングを行い、ユチョン氏は16万点を獲得し、100万点に到達した。

5,同じテーブルにいた別のプレイヤーから共謀行為であると異議が上がった。

6,JOPTのトーナメントディレクターである宮田氏は以下の判断をした。

  • ユチョン氏のスプリンター賞の獲得権利を剥奪した
  • ユチョン氏をA氏と異議を申し立てたプレイヤーと別のテーブルに移動させ両名ともプレイを継続させた
  • ユチョン氏が受領した16万点は有効なものとみなし、返還も没収も行行わなかった

7,ユチョン氏はAと別のテーブルに移動させられたため、Aに対してチップを返すことができなくなった。

8,ユチョン氏はメインイベント2位となり、プライズを獲得した。(Aは敗退)

9,ツイッターでユチョン氏がチップダンピングを行ったことを公表

10、炎上し、8月6日JOPTはユチョン氏に対して、6ヵ月間の参加停止の追加ペナルティを発表。

また、ユチョン氏はカジノチャンネルにて経緯を説明しています。