ポーカーの分散とは?アップスウィングやダウンスウィングの備え方

ポーカーは運と実力のゲームです。良いプレイをしているにも関わらず、トーナメントで20回入賞なし、キャッシュゲームのオールインは5回連続負けるということを経験したことはないでしょうか?

出典:PokerStars

このような現象はポーカーではよく起こることがあり、ポーカーを長くプレイしている人なら誰でも経験したことがあるでしょう。

運はコントロール出来ない産物なので、ポーカーの運がどれくらい関係しているのか知り、運が悪かった状況の時の備え方について学んでいきましょう!

分散とは

ポーカーにおける分散とは、実際の確率からどれくらい離れているのか表したものです。

例えば、AAでオールインし、相手はKKでポットには$100あるとします。

その際、どのくらいの利益を平均で得られるでしょうか?AAはもちろん最強のハンドであるため多くの利益を生みます。しかしポットの$100を毎度もらえるわけではなく、AAは約5回に1回(18.05%)の割合でKKに負けてしまいます。

圧倒的に有利なオールインに見えるこの状況でも、5回に1回は$100を失うことがあるということです。2回続いて$100失う可能性も25回に1回はあり、本来得られるはずだった$160から大きく外れて-$100と$260差が出ることもあります。

ポーカーには分散が付きもので、良い期待値を得ているにも関わらず負けてしまうことは多くあるでしょう。

キャッシュゲーム

キャッシュゲームの分散では、ウィンレート(100ハンドあたり何bb勝っているか)とハンド数から、平均的にはどのくらい勝てるのか、最悪の事態ではどのくらい負けるのか、最高の事態ではどのくらい勝てるのか計算することが出来ます。

今回は、ハンド数10万、2.5bb/100handsの場合で計算してみます。

Primedope

計算結果を見てみると、20回のうち、最高の場合で11,135bb勝ち、最悪の場合で-8,407bb負けていることがわかります。

普通、2.5bb/100hands勝つことが出来れば、10万ハンドでは2,500bb勝つことが出来るのに対し、大きく乖離する場合があるということが読み取れます。

このように予測された結果から大きく分散で外れるため、10万ハンド単位で見てみても、勝っているか負けているか真の実力を判断することは難しいです。

たとえ2.5bb/100hands勝っている強いプレイヤーでも10万ハンドプレイして-8,407bbと大負けすることがあります。

キャッシュゲームの分散はここまで大きいことを考えながらメンタル管理やバンクロール管理を行いましょう。

トーナメント

トーナメントでの分散はキャッシュゲームに比べ、プレイヤーの人数、賞金額の分配方法など多くの要素があるため分散を計算することは難しいですが、プレイヤーの人数が大きくなればなるほど分散が大きくなる、賞金の分配が上位に偏れば偏るほど分散が大きくなると覚えるとわかりやすいです。

今回は、参加人数100人、賞金は15位から、$50の参加費、レーキは11%、ROIは10%、1000回のトーナメントを行った場合を計算してみます。

※ROI(Return On Investment)は1回あたりどのくらいの収益が返ってくるか表したものです。ROI10%なら、参加費+10%が平均して戻ってくるということであり、参加費$100であれば$110の賞金を平均して受け取れるということです。

ROIが10%だとすると、期待値では$50×10%×1,000= $5,000となりますが、分散があるポーカーでは大きく結果が変わります。

Primedope

20回のうち、最悪のケースだと$10,000近く負け、最高のケースだと$25,000近く勝つことが出来ます。通常$5,000勝てるようなプレイヤーが$10,000負けることもあり、その時点で自信喪失してしまいそうですが、計算結果から分かる通り20回に1回と現実的に起こり得る数字です。

トーナメントでは上位1,2割しか賞金を獲得出来なく、上位の入賞者が賞金総額の大半を受け取れる性質からキャッシュゲームに比べて分散が激しいです。

たかが参加費の200倍を失っただけでは本当に実力がないのか、はたまた運が悪かったのか判断することは難しいです。

1000回ほどトーナメントに出た結果だけでは、本来の実力を把握することは不可能でしょう。

分散への備え

ポーカーは分散を受け入れることが非常に重要です。運が良く勝ち続けるアップスウィングか、運が悪く負け続けるダウンスィングかしっかり判断出来るようにしましょう。

アップスウィング

運が良く勝ち続けるアップスウィングはポーカーをプレイしている人なら誰もが望むことでしょう。先ほどのキャッシュゲームの例であれば、真の実力が2.5bb/100handsのプレイヤーがアップスウィングにより10万ハンドで11bb/100hands勝つことが20回に1回起こり得ます。

アップスウィングが起きた際には、自分の実力がどのくらいなのか把握することが重要です。結果に自惚れずにポーカーの実力を磨き、周りのプレイヤーをより観察し、勝てるプレイを身につけていきましょう。

ダウンスウィング

運が悪く負け続けるダウンスウィングでは、自分の実力がないと思い込み、ポーカーをやめてしまう人や自暴自棄になってしまう人もいるでしょう。

しかし、キャッシュゲームであれば4,000bbほど、トーナメントであれば参加費の200倍ほど負け続けることはいつか起こり得ます。ダウンスウィングはどのポーカープレイヤーも経験することであり、避けては通れません。

本当に実力がなく負け続けている場合は、よりポーカーの学習をしたり、レートを下げることが必要ですが、本来十分な実力があるにも関わらず、負けている場合はめげずにプレイし続けることが重要です。

この負けは分散の範囲内だと言い聞かせ、学習に励み、より勝てるプレイをダウンスウィングが良い機会だと思い、身につけると良いでしょう!

まとめ

ポーカーに分散は付き物です。おそらく多くの人が想像しているよりも、ポーカーでは多くの額を分散によって失います。それもそのはず、ポーカーはギャンブルでもあり運のゲームという側面も持っています。

分散が悪く下振れてしまった時は、これもポーカーであるから仕方ないと割り切りながらプレイしていきましょう!