スチールはどのタイミングでどれくらいのサイズが適切?

スチール(盗む)という言葉を聞いたことはあるでしょうか?スチールはポーカーで頻繁に行うアクションの1つです。スチールのタイミングやサイズを学び、スチールのアクションの精度を高めていきましょう!

スチールとは

スチールとは、誰もレイズしていないプリフロップにおいてレイズし、相手を全員降ろしてブラインドを手に入れようとするプレイのことです。

COやBTNなどのレイトポジションと呼ばれる後ろのポジションがレイズするときに使われることが多いです。

ポジションについては『ポーカーにおけるポジションの名称、プレイ方法を解説』をご覧ください。

例を見てみましょう。プリフロップでBTNまで全員フォールドで回ってきました。

そこでレイズし、SB、BB共にフォールドし、ポットの1.5BBを獲得することをスチールと言います。

半分以上のハンドをフォールドすることが多いポーカーでは、スチールはよく見るアクションの1つでしょう。

スクイーズとスチールの違い

スチールと似た言葉でスクイーズがあります。スクイーズとは、プリフロップにおいて1人のプレイヤーがレイズした後、1人以上のプレイヤーがコールしている時、リレイズして相手を降ろすことを目的として行うプレイです。

つまり、自分の前にプレイヤーが参加していると、スクイーズ。参加していなければスチールとなります。

スクイーズについて詳しく知りたい方は『ポーカーのスクイーズとは?ハンドやベットサイズの選び方』をご覧ください。

スチールのサイズ

スチールのサイズは、2.5bb-3bbがよく使われています。

スチールは相手をその場で降ろしてポットを獲得するためなのであまり小さすぎないサイズが良いです。ライブカジノやアミューズメントカジノでディープスタック(200bbなどスタックが大きいこと)の時は、多くの人にコールされてしまうため、4-5bbのサイズを使うこともあります。

また、リンパーがいる時は通常のサイズに+1bbをします。

相手が降りてくれる可能性のある、あまり小さすぎないサイズにすると良いでしょう。

スチールをすべき時

スチールはいつすべきなのか。スチールすべき3つのタイミングについて紹介します。

フォールド頻度が高い相手の時

フォールド頻度が高い相手の時は、スチールするレンジを広めると良いでしょう。例えば、以下のレンジで普段はスチールしているとします。

しかし、対戦相手がフォールドする頻度が高いと感じたら、J9sやQTo、K4sなども選択肢に入れてスチールすることをおすすめします。

相手のフォールド頻度が高ければ高いほど、こちらのスチールのレンジは広げるのが正解です。相手が十分にコールやレイズを出来ていないと感じたらエクスプロイトしていきましょう。

特に、トーメントのバブル直前はよくフォールドするため、スチールのレンジを広げるのがおすすめです。

3bet頻度が少ない相手の時

相手が十分に3betを出来ていない時は、スチールのレンジを広めることが出来ます。

こちらがスチールを試みるとき、一番困ることは3betをされることです。相手がコールで留めて置いてくれればフロップを見にいくチャンスが出来、弱い手も強い手に変わる可能性があります。

特に、初心者の場合は3betを十分な頻度で出来ていません。彼らのほとんどはAAやKK、AKなどプレミアハンドでしか3betをすること出来ず、相手のフロップを見させてしまっています。

そういった相手の場合、こちら側はスチールをより多くのハンドで試みると良いでしょう。逆に、相手がより多くのハンドでスチールを試みていると感じた場合は、3betのレンジを広げていくと効果的です。

スチールをすべきでない時

スチールは、①フォールド頻度が高い相手の時、②3bet頻度が少ない相手の時には有効ですがスチールが有効でない時も存在します。

相手のスタックが少ない時、コーリングステーションが相手の時はスチールをしても有効な戦略とならないでしょう。

相手のスタックが少ない時

相手のスタックが5BBなど少ない時は、スチールするべきではないです。スタックが少ない時にスチールしてしまうと、ポットにコミットしてしまっているためオールインされた時に弱い手でコールせざる負えない状況になります。

ポットコミットについては『ポットコミットの意味とは?コミットの知識が使える状況』をご覧ください。

特にトーナメントで中盤以降に差し掛かるとショートスタックのプレイヤーが続出します。バブル直前ではフォールドしてくれる可能性が高く、スチールが有効となりますが、それ以外の状況ではスチールはしない方が良いでしょう。

スチールをする時は、相手のスタックが少なくないか確認してから行うようにしてください。

コーリングステーションが相手の時

相手がどんなハンドでもコールするような場合、微妙な強さのハンドでのスチールは試みない方が良いでしょう。弱い手で参加してしまっては強い役をフロップ以降で作ることは難しいです。

相手がコーリングステーションの時は、わざわざスチールを試みるより、通常のレンジで参加し、強い役を作れた時にバリューを多くとっていくことが一番利益的なプレイになります。

コーリングステーションは初心者によく見受けられるプレイなので、スチールする際は相手がコーリングステーションかどうかしっかりと見極めてください。

まとめ

スチールは最初のポットを奪うために重要なアクションです。

①フォールド頻度が高い相手の時、②3bet頻度が少ない相手の時は積極的にスチールを試みていくべきです。反対に、①相手のスタックが少ない時、②コーリングステーションが相手の時はスチールをしても成功確率が低くすべきではないです。スチールすべきかどうか見極めて行うことが重要です。

また、スチールせずに、リンプをしてしまう人がいますが、それではポットを奪うことは出来ません。相手にフロップを見る権利を与えており、エクイティを実現させてしまっています。エクイティの実現を防ぐためにも、プロフロップではしっかりとレイズしてポットを奪うようにしていきましょう!