ポーカープレイヤーインタビュー企画第11弾。今回登場するのはじぇいそるさんです。
ポーカーとの出会いについて教えてください
僕はマカオのカジノでポーカーと出会いました。
実は、当初ポーカープレイヤーになろうと思いマカオに行ったのではなく、カジノの中で働こうと思って渡航したのですが、語学の面で落とされてしまったので、そのままマカオに住み着いてポーカーをやり始めました。ルールや戦略なども全てマカオで覚えましたね。一緒に渡航した4人のメンバーで家にポーカーテーブルを買って議論しながら勉強していました。
僕が始めた当時は今で言う「専業」や「ポーカープロ」といった言葉はなかった時代で、マカオ在住の普通の若い兄ちゃんや中国から来る観光客といった娯楽プレイヤーがほとんどでした。
–プロという言葉のない時代に生き残れた理由は何だと思いますか?
強いて言うなら切羽詰まっていたからだと思います。
当時はスマホはなく、LINEももちろんないので、海外に行ってしまうと日本との交流はほとんどできなくなります。今よりも海外に行くということのハードルが高かったと思いますね。携帯とかも全部捨てて行ったので、本当に日本を捨てたような感覚でした。そのおかげもあってか集中力もありましたし、プレイ時間もすごく長かったです。月に300時間以上はやっていました。
ただ、ポーカーで生き残ろうとかはそこまで思ってはいなかったです。
ポーカーはカジノの中にあるギャンブルゲームの1つと捉えていたので、ポーカーが輝かしいものだとは思ってはいなかったですね。職業がギャンブラーで、ちょっとクソみたいな生き方してるなと思っていました。5年前くらいまではポーカーで生活していることを地元の友達など周りの人にあまり言わなかったです。
そういう意味で2022年のサミーとのプロ契約は非常に嬉しかったです。日本の上場企業が契約をしてくれたというのは親も喜びますし、何よりポーカーをここまで続けてきたからこそじゃないですか。なかなかそんなことはないと思っていたので、このような生き方をしてきてよかったなと思いました。
ポーカープロとしての活動の中で一番の思い出は何ですか?
強く記憶に残っているのはやっぱりWSOPです。2014年にWSOPに出場するまではマカオやフィリピンにずっと住んでいて、ラスベガスに行ったことがなかったんです。
色々一段落ついたタイミングで行ってみようと思って、1ヶ月間だけ旅行で行きました。そこで一番最初に出たトーナメントでファイナルテーブルに行ったのですごく印象深いですね。
それがきっかけでラスベガスに住もうと決めましたし、あの時のオールインが今までで一番期待値が大きかったので、やっぱり印象には残りますよね。
WSOPのファイナルテーブルは中毒性があって、一度経験してしまうと、またあの場に戻りたくなってしまうんです。もちろん参加人数は非常に多いので、簡単には取れないのですが、やっぱり夢はあるので年1回くらい夢見てもいいかなと思いながら出ています。
ポーカープロを続けていく上で大切なものを教えてください
友達じゃないですかね。この職業は孤独なので、話を聞いてくれる人がいないと結構厳しいと思います。お互いポーカーをしている限り専業の友達とは絶対どこかでまた会うのである程度コミュニティができるんですけど、そういったコミュニティに一切入らずに1人で長年やっている人を僕は見たことがないです。
あとはプレイ時間ですね。それに勝るものはないと僕は思います。
それである程度お金を貯めて、さらに一段階駆け上がりたいと思う場合は、プレイ時間を少し下げて勉強の比重を多くすれば良いと思います。ただ、順序は重要ですね。その時に必要なことを自分自身が分かっている必要があるので、アドバイスしてくれる人を見つけるのは重要だと思います。自分がライブキャッシュで成功したいならライブキャッシュで成功している人から話を聞いた方がよいし、他の人からは絶対話を聞かない方がよいですね。
こういった話は僕の本で詳しく書いてるので、詳しく気になる方はそちらを見てもらえると嬉しいです。
※詳しい内容はじぇいそるさんの本、「職業プロポーカープレイヤー カジノを「職場」にする生き方」をチェック
–どういった人がトッププレイヤーになれますか?
破産にビビらない人だと思います。その破産をビビらずに挑戦してみて、失敗して消えていく人もいるんですけど、たまたま残れた人たちがトップに残っていると思います。
まあでもここら辺は性格にもよると思いますよ。トップを目指す人はそういった行動を取りますし、堅実な人は、あまり負けない代わりに、勝ちもさほど莫大ではないので、性格が結構プレイに出ていると思います。
現在はポーカーとどのように向き合っていますか
ポーカーブロガーとしての活動は楽しいですが、ポーカーをプレイするのは生活の為にやっていると言う感じですね。今はASPTの運営といった、新しいことにモチベーションがあります。
これはYouTubeを始めて気づいたんですけど、僕は物作りが好きなんです。こだわって映像や演出を考えたり、そういうことが結構面白いなと最近は感じていますね。トーナメントも始めたばかりでまだ小さいですけど、これからこういう感じにしていこうといろんな構想があるので、そういうのを考えるのが楽しいですね。
–ポーカーはもうあまり好きではないですか?
みんなの好きとはちょっと違うと思います。ポーカーというゲームが好きというよりは、人生を形成してくれたので感謝しているという感じなんですよ。
お金がなくなればポーカーをやるし、新しい事業をやってみたければポーカーで貯めてと、これまで18年間ポーカーと共に生きてきたのでポーカーのない人生は考えられないです。今後もポーカーには絶対に関わることで生きていこうと思っています。