ポーカーにおけるブロッカーとは?使い方を解説
2023年10月14日
この記事ではブロッカーについてブロッカーの基礎知識から使い方、ブロッカーを使用する際の注意点について紹介していきます。
ブロッカーとは、相手が特定のカードを持ちうる可能性をなくす(少なくする)カードのことです。例えば、自分が Aを持っていると、相手はAを持つことができなくなります。
実戦での例を見てみましょう。
ここでは左のPlayer8がAKを持っています。Aを持っているということは相手はAを持つことが絶対にできず、Aハイフラッシュを作ることができなくなります。
このような状況をAKが相手のAハイフラッシュをブロックしていると言います。
AKはAハイフラッシュのブロッカーであり、この情報はこのハンドを持っているプレイヤーしか知り得ません。ブロッカーは自分しか知らない情報なので適切に使うことでより有利にプレイすることができます。
ブロッカーが使える場面を①ブラフする時、②ブラフキャッチする時の2つに分けて紹介します。
ブロッカーを考えることでブラフの成功率が上がります。具体的なシチュエーションを見ていきましょう。
COでKQを持っているとします。リバーで相手から14bbのベット(35%ポットサイズ)が来ました。この際、ブロッカーを考慮するとブラフが有効である可能性が出てきます。
なぜでしょうか。自分のハンドであるKQのKは相手のKハイフラッシュをブロックしています。自分がKを持つことで相手はKQやKJ、KTなどでフラッシュを作ることができなくなります。
ここでブラフレイズをすることでフラッシュを持つ可能性の低い相手はコールすることが難しくなります。
このように自分の持っているハンドが相手の強いハンドを作りにくくしている時、ブラフの成功率を高めることができます。
相手のバリューハンドを抑えている場合、ブラフキャッチが成功しやすくなります。具体的なシチュエーションを見ていきます。
BBでQTを持っているとします。相手から64.6bb(91%ポットサイズ)のオールインが来ました。ここでブロッカーを考慮するとQTはブラフキャッチできる可能性が高まります。
なぜでしょうか。まず第一にQTのTは相手のストレートをブロックしています。第二にQTのQは相手のツーペアやセットなど強いハンドをブロックしています。
このように相手のバリューハンドを多く抑えている場合、相手はブラフである可能性が高まります。そのためブラフキャッチがしやすくなります。
多くの人に使われているブロッカーですが、注意して使わないと間違った使い方をしてしまいます。ブロッカーはある場面では大きな効果を示す一方、ブロッカーにとらわれすぎてしまい、期待値を損なわないようにしなければなりません。
基本的にはブロッカーによる効果はほとんどありません。ポーカーでまず初めに考えるべきことは相手のアクションにどういったハンドがあるかです。
例えば、先ほどの状況で最初に考えるべきことは、相手のこのベットにどういったハンドが含まれているかです。
次に、そのハンドに対して、ブラフをしたところでどれくらいのハンドが降りてくれるかを考えます。この時にブラフをしても相手がほとんど降りないのであればいくら優れたブロッカーを持っていてもブラフは利益的にはなりません。
ブロッカーの前に考えるべきことはたくさんあり、その上で相手がバランスのとれた完璧に近い戦略を取っていると判断した時だけブロッカーを使用すると良いでしょう。
GTO WizardなどGTOツールを使うと、どのハンドがブロッカー効果が高いのか瞬時に見ることができます。ただし、このブロッカー効果はあくまで対戦相手がGTO戦略を用いている時だけです。
人間はGTO戦略を完璧に実行することはできません。どんな優れたプロもGTO戦略を模倣しようとしてもできません。相手のレンジがGTOとズレればブロッカー効果も変わっていきます。
GTOツールに表示されたブロッカー効果を鵜呑みにするのではなく、その時々でどのハンドのブロッカー効果が高いのか相手のレンジを想像しながら考えてみてください。
基本的にブロッカーが使える場面は極端にレンジが狭い時だけです。
レンジが狭くなればなるほどブロッカーの影響は大きくなります。ブロッカーを考慮する時はレンジが狭くなっている時にだけ使うと良いでしょう。
フロップのCベットの際にブロッカーを考慮しても効果はほとんどありません。
ブロッカーは僅かな期待値の差を求める時にとても有効な考え方です。しかし、ほとんどの場合においてブロッカーの効果はありません。
ポーカーは相手のレンジを考え、そのレンジに対してどのようなプレイをすれば良いのかということを考えるに尽きます。
ブロッカーを使うことでプレイの理屈付けはし易いですが、ほとんどの場合で役に立ちません。10コンボしかないなど極端にレンジが狭い時だけブロッカーを使うと良いでしょう。