ポーカーにおける期待値(EV)とは?計算の方法を解説

期待値という言葉を耳にしたことはありませんか?中学の数学で習ったけどもう忘れてしまった、、という方も多いと思います。

またポーカーで聞いたことはあるが、詳しくは知らない、、という方もいらっしゃると思います。そこでこの記事では、ポーカーの期待値について数学が苦手という方にもわかりやすく解説します。

期待値(EV)とは何か

期待値とは、長期的に見た際のプレイの結果です。期待値について理解するため実際の例を見てみましょう。

プロサッカー選手と賭けをする

プロサッカー選手の川島選手(元日本代表GK)とあなたは、PK勝負をするとします。川島選手からPKでゴールを奪えば、2万円がもらえます。しかし、負ければ1万円を失います。あなたは初心者なので川島選手にPKでゴールをきめられる可能性は20%だとします。その際、勝負をした方が得でしょうか?

実際に計算してみると、

   ゴールを決める:20,000円×20% = 4,000円

   止められる:-10,000円×80% = -8,000円

   合計:4,000円-8,000円 = -4,000円 = EV

期待値(EV)は-4,000円となります。期待値がマイナスのためこの賭けはしない方が得だということがわかるでしょう。

それでは、川島選手がゴールを決めたら5万円にするよ!と言ったらどうでしょうか。

先ほどと同じように計算してみると、

   ゴールを決める:50,000円×20% = 10,000円

   止められる:-10,000円×80% = -8,000円

   合計:10,000円-8,000円 = 2,000円 = EV

期待値(EV)は2,000円となります。期待値がプラスとなったためこの賭けはした方が得だということがわかるでしょう。

このように、期待値は勝てる確率と勝った時の金額が大きくかかわってくることがわかると思います。

なぜ期待値はポーカーにおいて必要なのか

期待値はなぜポーカーで必要なのでしょうか?

ポーカーではエクイティといった確率的に平等なポットの分け前というわかりやすい指標もありますが、ポジションや相手のレンジ、スタックサイズなどによってどれくらいポットを獲得できるかは異なります。

そこで重要なのがEVです。EVはそれらを考慮した上での指標となります。ポーカーはEVが全てです。

ポーカーにおける期待値の計算方法

それでは実際にポーカーにおける期待値を求めてみましょう。

あなたは、$1/$2のブラインドのテーブルに座っています。残りスタックは$30でBBにいます。プリフロップでMPが$6にレイズし、あなたは57でコールします。ポットは$13です。

フロップは、Q4Tです。BBのあなたはチェックし、MPは$10をベットしました。この時、オールインすることは期待値がプラスになるでしょうか? ※スタックは相手がカバーしています

仮定を用いてみていきましょう。このMPの相手はとてもアグレッシブにベットをしてくることで有名です。そのためここでの強いベットも多くのブラフやドローが混じっています。もしあなたがオールインを選択したら、相手は50%の確率でフォールドするとします。

また、あなたのハンド57はフラッシュで相手の強いハンドにも勝てる可能性が大きくあります。そのため相手のコールレンジに対して40%のエクイティ(勝率)があると仮定します。

実際に計算をしてみると、

  フォールド:$23(MPベット後のポットサイズ)×50%(フォールドする確率)= $11.5

  オールイン勝ち:$61(オールイン後のポットサイズ)×50%(コールする確率) ×40%(勝つ確率)= $12.2

  オールイン負け:-$61(オールイン後のポットサイズ)×50%(コールする確率) ×60%(負ける確率)= -$18.3

以上の計算から、期待値はプラス$5.4となります。なのでこのオールインは、期待値がプラスのプレイをしていると言えます!

期待値を完璧に計算できるのか

ここまで読んでみて、期待値をプレイ中に全て求めればいいのでは?と思った方はいるのではないでしょうか。しかし、それを行うことは人間には不可能です。それには2つの理由があります。

①計算が複雑

期待値の計算はかなり複雑です。相手のレンジ、次のストリートでの予測されるアクション、スタック、レーキなど考慮すべきことが多くあります。今回は勝てる確率やフォールドする確率など仮定をして期待値を求めることが出来ましたが、現実ではそうもいきません。

相手のレンジはスタックやベットサイズ、ポジションによって多く変わります。

また、残りスタックによる期待値の違いも出てきます。そうなった際、人間では計算することは不可能でしょう。そのため多くのトッププロはゲーム理論の概念であるナッシュ均衡を用いた計算ソフトを使うことで期待値を求めています。

②相手のアクション、レンジが読めない

例え、計算ソフトを用いたとしても最適なEVを求めることは不可能です。なぜなら、計算ソフトは相手が最適なプレイ(EVが最も高い)をする前提のもと、こちらの最適なプレイを示しています。

しかし、現実ではそうはいきません。人間は最適とは異なるプレイをします。相手が最適なプレイから離れた時、こちら側にはもっと最適なプレイが存在していきます。それらを考慮しながら最大の期待値を計算することは不可能でしょう。

最も高い期待値とは何か

一番高い期待値を得ることが出来れば、長期的に見て一番良い結果を生み出すことが出来ます。それでは一番高い期待値とは何なのでしょうか。GTOソフトの計算結果なのでしょうか?実際にはそうとは言えません。

私たちが対戦しているのはコンピュータではなく人間です。完璧なプレイを出来る人はいません。そのため少なからず相手の穴が存在しています。そこにつけ込めるプレイこそが最も高いEVです。

しっかりと対戦相手を観察し、最大限の期待値を得られるプレイをしていきましょう。