ハンドリーディングのコツとは?ハンドの絞り方を解説

ハンドリーディングでは、多くのプレイヤーが特定の2枚に絞り込もうとして、大きなチップの損失をしてしまっています。

そもそも特定の2枚に絞り込むことは1326通りの組み合わせがあるポーカーでは不可能です。そこで今回は、レンジで絞り込む正しいハンドリーディングの方法について紹介します。

ハンドリーディングとは

ハンドリーディングとは相手のレンジを絞り込む行為です。相手のポジション、アクションから想定できるレンジを絞り込みます。レイズし過ぎなプレイヤーなのか、フォールドし過ぎなプレイヤーなのか相手の傾向をそれに加えます。

プリフロップ、フロップ、ターン、リバーと全て通して相手のレンジを絞り込み最終的なアクションを考慮します。相手のレンジにブラフが多い場合はブラフキャッチしたり、相手のレンジにバリューが多い場合はフォールドします。

ハンドリーディングは正しく行うことで強力な武器となるでしょう。

続いては具体的なハンドリーディングの方法を紹介します。

ハンドリーディングの方法

ハンドリーディングの方法は2つに分かれます。①レンジを絞り込む、②相手の傾向を考えるの2つです。

それぞれに方法について詳しく解説していきます。

レンジを絞り込む

相手のポジションやアクションからレンジを絞り込みます。

ポジション

例えば、相手がBTNではなく、UTGからオープンした際はどのようなレンジが考えられるでしょうか?BTNではQ6sのような微妙なハンドもオープンするでしょうが、UTGではポジションが不利なためQ6sのようなハンドはオープンしません。

実際に、GTOWizardによるとオープンレンジは以下のようになっています。

UTGのオープンレンジ(6max)

BTNのオープンレンジ(6max)

ポジションによって相手のレンジは異なります。最初はポジションによってある程度のレンジを予測しましょう。

アクション

ポジションで絞り込んだら最後はアクションで絞り込みます。

例えば、リバーでオーバーベットオールインをされたらどうでしょうか?

※プリフロップ:UTG 2.5bb BBコール、フロップ:UTG 4.5bb BBコール、ターン:UTG 19.5bb BBコール

バリューであれば、相手はストレート、もしくはセットでオールインをします。T9、45、JJ、88、77、66、22が相手のハンドとして挙げられます。

しかし、プリフロップから遡って考えると、相手のレンジに66、22、T9、45はあるでしょうか?プリフロップでこれらのハンドをオープンしている可能性は少ないです。※ポジションの箇所で紹介したUTGのレンジ参照

また、88でフロップ、ターンと大きなベットをしているでしょうか。88はおそらくフロップでベットしたとしてもターンでチェックするハンドもしくは小さいベットを打つハンドでしょう。これらのことを考慮すると、相手のバリューレンジとして挙げられるのはJJと77くらいです。

次にブラフレンジはどうでしょうか?ターンで大きくベットしておりフラッシュドローが考えられます。AやKがついたハンドが特に多いでしょう。

これらのことを考慮すると、相手のレンジにはフラッシュを逃したハンドとJJ、77が含まれるでしょう。

相手の傾向を考える

アクションからレンジを絞り込んだ後は、相手の傾向を考える必要があります。ポーカーをプレイしているのはAIではなく人間のため常につけ込める隙があります。

ほとんどのプレイヤーは大きなベットやレイズでブラフしなさ過ぎです。失敗した時を恐れて大きなブラフが出来ないプレイヤーが多いです。

また、相手の傾向を考える方法としてプレイスタイル(TAGやLAGなど)がありますが、これはあまり使うことが出来ません。なぜならプレイスタイルから考えるより、プレイヤーの特徴を直接的に考えた方が効果的だからです。

プレイスタイルから考えたとして、相手がTAGだからどうなのでしょうか?タイトアグレッシブだから強いハンドばかりなのでしょうか?それを考えるより、このプレイヤーは大きなブラフをするのか?フラッシュドローはいつもベットしているのか?などを考える方が効果的です。

相手の傾向はショーダウンして実際に見たハンドから考えるのが一番ですが、それ以外にもステークスから考える方法もあります。例えば、2NLはこういったプレイヤーが多い、100NLはこういったプレイヤーが多いということです。ステークスのレベルによって相手の思考は変わり想定していたレンジも変化します。数千ハンドこなすと、そのステークスの傾向が掴めてくるでしょう。

こういったことから、先程のハンドの例を考えてみましょう。

AJを持っていた時にオールインされあなたはコールするでしょうか?

例えば、対戦相手がバリューに偏っている場合はフォールドします。ターンで大きくベットするのはフラッシュドローとセットとツーペア、OESDくらいのプレイヤーだとします。また、Aがついているハンドは、僅かなショーダウンバリューがあると考え、ターンで大きなベットはしないとします。

そういった対戦相手の場合、バリューとして、JJの1コンボ、77の3コンボ、プリフロップでオープンしている頻度は少ないですが、67s、66が合わせて2コンボくらいあり得そうです。

ブラフとしては、KQ、KT、K9の3コンボが相手のレンジであり得そうです。

ここでコールするためには、ポットオッズを考えると、73.5bb/200bb=36.75%以上の勝率が必要です。しかし、相手のコンボ数のオッズを考えると、33%のためオッズが合いません。

ここではフォールドするのが正解でしょう。

※ポットオッズについては『オッズとアウツとは?計算できるアプリを紹介』をご覧ください。

まとめ

ハンドリーディングの真髄は、相手の特定のハンドを当てることではなく、相手のレンジを精度良く絞り込むことです。1326通りのハンドがあるポーカーでは相手のハンドをぴたりと当てることは出来ません。

相手のポジションやアクションからレンジを絞り込み、最後に相手の傾向を踏まえて想定レンジを作り上げると良いです。どんな対戦相手にもベットやコール、レイズ、フォールドをする理由があります。

その理由を絞り込み相手の想定レンジを作り上げましょう。

ただし、上手いプレイヤーになればなるほどレンジを絞り込むのが難しくなります。フラッシュドローを持っている時にもベットやチェックを使い分けたりしてレンジを絞り込ませないようにバランスを取っていきます。

ただどのプレイヤーも僅かな偏りは存在しています。相手のレンジを精度良く絞り込んでより勝てるようになりましょう!