フロートとは?弱いハンドでコールする戦略
2021年10月26日
フロートとは、後のストリートでポットを取ることを目的として、相手のベットに対して非常に弱いハンドでコールすることです。特にフロップでのC-betに対してよく使われます。
それは多くのC-betは広いレンジ、つまり弱いハンドや、完成していないハンドでも行われるためです。
フロートは比較的広い意味合いの言葉です。特定の行動を指定するものではありません。のちのストリートでブラフをするためのコールなどと表現されることもありますが、ターンやリバーで出たカードによってはブラフを打たないことも多々あります。
具体例を見てみましょう。
BTNはA❤︎Q♣︎を持っており、HJ 2.5BBのレイズ、BTNコール、SB BBはフォールドしたとします。
フロップ(6.5BB):J♠︎8♦︎5♣︎
HJ 4.5BBのレイズ BTN?
このようなケースでコールするとそれはフロートしたと言えるでしょう。
この場合のコールの意図としては、相手のC-betのレンジのうちJがある可能性はそれほど高くないことに加えて、ターンでAやQが落ちた場合にトップペアになることや、Kや10であればストレートドローになる可能性、また何もヒットしなかったとしてもショーダウンバリューがあることが理由です。
もう一つ例を見てみましょう。
フロートは以下の条件に該当しない場合、明確な意図がなければ避けておいたほうが良いでしょう。
相手がアグレッシブな場合フロートは効果的になりやすいと言われています。
それは、相手のブラフ頻度が高いほうが、フロートは効果的なためです。逆に相手がフロップ以降ブラフベットを行わないプレイヤーの場合、フロートはただチップを相手に与えるだけの行動になります。
また相手がパッシブな場合特に注意が必要です。フロートした後のストリークで、望んだカードを引けなかった場合にブラフベットすることが多くなります。その場合相手がパッシブだとマージナルなハンドでコールされてしまいます。相手がルースパッシブな場合、素直にバリューに寄せましょう。
参加人数が多い場合、誰かが何かしらの強いハンドを持っている可能性が高くなるため、相手のブラフ率は下がっています。そのため、後のストリークでのブラフが成功する可能性が低くなります。
先ほどの例で言うとAやQが出た場合、トップペアになるため、もし相手がJを持っていたとしてもエクイティがあります。エクイティがほとんどないのに相手のベットに対してコールすることは、後のストリークで引き続きベットされた場合に、ほとんど降りることになります。
そのため、オーバーカードやフラッシュドロー、ストレートドローなどはフロートに向いていると言えます。
フロートは多くのプレイヤーが意識せずに行っているプレイの一つですが、何も考えずに弱いハンドでコールしているとただパッシブなプレイヤーになってしまいます。
フロートする際は、レイズやフォールドが選択肢にないのか、また同じハンド同じシチュエーションにいたとしても、どのくらいの頻度でフロートするのが正しいのかまで踏み込んで考えられるとなお良いでしょう。