ポーカーとの出会いについて教えてください
アメリカに留学した時にポーカーに出会い、夏休みに友達とカジノに行って何度かプレイしていました。何回か勝つことができたのでポーカーで生活していけるのではないかと思い調べて見たら実際にプロとしてやっている方を見つけ、いつかは自分もプロになりたいなと考えていました。
その後日本に戻ってゲストハウスを経営していた時、友達に「マカオ行こうよ!ポーカーがあるから」と言われてマカオに行きました。
その時も勝つことができて、毎月ポーカーでこれくらい勝てたらプロを目指してもよいという目標を決めて1ヶ月間稼働してみたら、超えることができたのでポーカープロになることを決めました。
1日の稼働時間について教えてください
一番稼働していた時は1日で13時間〜14時間していましたが、最後の方はゲームのブラインドが高く、6時間稼働してそこそこ勝ったら終わりにしていましたね。
中には長く稼働する人もいて、I兄さんという方は1週間以上家に帰って来なかったことがありました。2〜3日帰らない人は何人かいて、いおさん(余語葦織さん)もマカオ序盤は2〜3日帰って来ないことがあったのですが、1週間以上帰って来なかった人はI兄さんが初めてでしたね。カジノ内で食事も睡眠も全部済ましていたそうです。
–どのように睡眠を取っていたのですか?
彼は眠たくなったら1時間のバケーションを取り、戻ってポーカーをして、また疲れたら1時間のバケーションを取るということを繰り返していました。マカオで間違いなく一番稼働した人だったと思います。
※I兄さんの詳しい話は【ポーカー成りあがり】実録♢マカオでハイレートまでのし上がった男「I さん」の話【マカオで出会った偉人伝①】をチェック
プロ生活で一番辛かったことを教えてください
基本マカオの生活はずっと楽しかったのですが、辛かったのは、友達と僕の生活があまりにもかけ離れているのでお互い理解しにくかったことです。
例えば親とどこかに行った時「息子さん何されてるんですか」と言われて「ポーカープレイヤーです」とはなかなか言えないので「ゲストハウスを運営しています」と言っていました。
–説明してみても理解してもらうのは難しいですか?
理解してもらうのに時間がかかるのでそもそも説明しないです。ポーカーはギャンブルだと思われているので(実際にそういう側面もありますし)その世界を無理に理解してもらう必要はないと思っています。
わかりやすく「ビジネスをしています」とポーカーのことに関して触れた記憶はほとんどないです。
今はYouTubeのおかげで一般的に、特に若い人には浸透している気はするのですが、当時僕らでそういう生活をしている人はほとんどいなかったのであまり理解されないものだと思って説明しなかったです。
–1番辛かったバットビートについて教えてください
300万円ぐらいのポットで、1アウツしかないストレートフラッシュが完成するカードが落ちたことです。1枚なら絶対に大丈夫と思っていたのでその時はさすがに落ち込みました。
ただ1日の勝ち負けではなく1ヶ月トータルで考えるようになったので、いちいち心を喜んだり悲しんだりしなくなりました。良い時もあったので仕方がないと考えるようになりましたね。
–その考え方は最初からできるんですか?
最初はできないです。やっぱりバットビートを食うと体温が上がって熱くなるのを感じます。ただ僕はポーカーがとても上手かったというよりは感情のコントロールが他の人より得意で、熱いなと思った時は、1回席を立ったり、その日はポーカーを辞めていました。強い人でも感情のコントロールができなくてもっと傷を広げてしまう人もいます。
マカオ以外に今後ポーカーしに行く予定はありますか
カジノに預けていたお金がサンシティの事件で半分以上なくなってしまってからお金のためにポーカーするのはどうなのか疑問に思うようになりました。
※マカオでお金がなくなった詳しい話は「マカオで稼いだ●●●●万円がなくなりました。今まで言えなかった真実をお話しします」をチェック
お金を貯めるには一箇所の国でポーカーをし続ける方が有利なのですが、今はお金を貯めるよりも色んな国に行って楽しんだほうがよいと思っているので友達と楽しそうな国に行って楽しそうなことをしています。
–その楽しみの一つがYouTubeですか?
そうです。1人で回ったほうがお金は貯まりますが、友達も一緒に旅行したいということもあり、2人分なら賄えると思って友達で一緒にYouTubeを撮りながら回っていました。結局2人分の経費を払ってもマイナスにはならなかったです。
–YouTubeをしながらポーカーをするのは難しかったですか?
持っていけるお金が2人で200万円しかなかったので、そこから生活費を引いたら100万円しかポーカーに使えなく、100万円では5/10までしか打つことができないのでYouTubeをしながらポーカーで稼ぐのは結構難しいと思いました。
1カ所場所を決めて、そこにお金を500万円くらいストックするのでしたら高いレートを打てますが、色んな国に行く場合は100万円しか持っていけず、10/20を打つと3回くらい負けたら結構苦しい状態になってしまうので難しかったです。
あと、YouTubeとポーカーは相性が良いようで悪いですね。結局僕はポーカーに集中したくて、YouTube側に神経が使えないのでそこまで労力と時間が割けなかったです。また旅行中はホテルなのでYouTubeの設備を整えるのが難しかったです。音響や編集環境が常に一定ではなく、編集している友達が思ったよりも苦戦をしていたのは覚えています。
1人ではなく、何人かチームを組んでやるとよいのですが、問題はチームを組んでその費用をYouTubeの利益から出せるのかというと登録者が3万人を超えないと厳しい。
さらにYouTubeは常に企画を作って新しいことをしていくのが大変で、日々頭の中がYouTubeになっていました。ゲームをしている人でしたら毎日ゲームをしてるのをただ流すだけなので比較的続けやすいと思うのですが、新しい企画をして毎回編集をして尚且つ稼ぎ続けることは難しかったです。
ポーカーの魅力を教えてください
駆け引きです。数人で卓を囲むので色々な人の理解度やポジションでやるべきアクションが変わって戦略が複雑になることが楽しかったです。あと、レートが際限なくあり、ドラクエで言ったらレベル99まで行くみたいなことが好きでした。
–ライブキャッシュで強い人の特徴について教えてください
強い人はゲームの特徴を掴むのが早いです。ただ何をもって強いと言うのか難しいと思います。
実力だけで高いレート、腕一本で上がり切った人やプロの中の実力で言えばTop of Topではないけれど社長とゲームをセッティングすることができてかなり稼いでいた人もいました。上がり方は本当に様々だった気がします。
プロの生き残り方も様々で、節制が得意で時給はそれほど高くないけれど、コツコツ勝ってコツコツ貯めてる人もいれば、湯水のようにお金を使っても高いレートで勝ち続けてカバーできる人もいます。漏れる水よりも入れる水が多すぎて漏れても気にならない。そういう特殊な人もいました。
僕は普通に勝って、支出も普通で節約できるところは節約していました。節約していない人はどうせ勝つから使えばよいという考えでレストランに行ったら上から高いの何番目までという方法で注文して、「食べきれねえわ」と言っていつも残している方もいました。
今後もポーカーを続けていきますか
ポーカーは今でも好きですが、結局ポーカーは肉体労働です。僕がテーブルに座らないと収入が発生しないのでビジネスの方がよいと思っています。
最初資金がない時はポーカーは魅力的だったのですが、ある程度資金ができてくると違う。100万円を1,000万円にするのはポーカーだとすごく効率が良いのですが1,000万円を1億にしようとなった時にポーカーはものすごく効率が悪くなる。
月に生活費100万円を超えて十分やりたいことやれるなと思った時に、そこからどう思うか。100万円でずっと良いと思って満足するのか、資金が多くあるのにずっとポーカーでやっていくのか。人によって違うと思います。
センスのある人でしたら1億、2億ポーカーで稼げるかもしれないですけど、僕はそこまで行くセンスはなかったのでそこで満足するのか、ビジネスをするのかという選択になって、今回マカオ行った時も思ったのは1からポーカーで上を目指すよりはビジネスをしたいと思いました。
最後に一言お願いします
10年間ポーカーをしていた中で何回か詐欺が僕の近い知り合いの人たちの中でも起こっています。どんなチャレンジの仕方をしてもよいとは思うのですが、詐欺や人を嵌めるやり方だけは選択してほしくないです。
是非、若い人にはポーカーをやってみて欲しいですし、ライブキャッシュにチャレンジして欲しいと思っています。