HUDとは?使い方やおすすめのツールを紹介
2021年11月9日
ポーカーにはAIが搭載されたPokerSnowie、GTOの結果を出してくれるGTOWizardなど様々なツールがありますが、その中でも今回は相手の傾向を掴めるHUDについて紹介します。
HUDを上手く使いこなせば、対戦相手がどういうプレイをする傾向があるのか知りながら、戦略を練ることが出来るでしょう。
HUDとは、相手の様々なスタッツを表示させることが出来るツールです。対戦相手がどれくらいの頻度でゲームに参加しているのか、CBを打つ頻度はどのくらいなのか、3betを打つ頻度はどのくらいなのかなどを知ることが出来ます。
下記のように、ゲーム中に様々な数値を表示してくれます。
人間の記憶だけでは、何度か対戦相手とプレイしていても、相手のアクション全てを覚えることは不可能です。そこでHUDを使用することで自動的にデータを集計し、正確な相手の傾向を探ることが出来ます。
HUDには重要な指標がいくつかあるので紹介します。
VPIP(Voluntarily Put [Money] Into Pot)とは、どのくらいプリフロップにお金を入れて参加したかを示した数値です。コールでもレイズでも同じく参加したとみなします。
この数値は6maxであれば20前後が適正と言われています。対戦相手のハンド数が300ほどあれば参考に出来ることから、最も使いやすい指標です。
PFRはどのくらいレイズでプリフロップに参加したかを示した数値です。最初のレイズはもちろん、3betや4betも含まれます。
適正値は18%と言われており、VIPIと組み合わせることでより参考にすることが出来ます。例えばVPIP40%と高く、PFRが13%と低かった場合、対戦相手はリンプを多用している可能性が高いです。
VPIPと同じくハンド数が300ほどで参考にすることが出来ます。
3bet頻度(3bet frequency)はプリフロップでどれくらい3betをしているか表した数値です。
適正値は、6-9%と言われています。3betの頻度が高い人には、オープンレンジを狭め4betレンジを広くする。3betの頻度が低い人にはオープンレンジを広くすることで対戦相手に対応することが出来るでしょう。
3bet頻度はハンド数が1000ほどで参考に出来ます。
Flop C-betはフロップにおいてどれくらいの頻度でCベットをしているか表した数値です。
Flop C-betの適正値はIPかOOPなのか、3bet potなのかによって大きく変わるため正確に把握することは難しいです。
ハンド数も大量に必要なため、対戦相手はどのような理由でCベットをしているか考えて対戦相手に対応した方が良いです。小さいサイズをレンジ全体でしているのか、大きいサイズでブラフとバリューを混ぜているのかなどを考えながら対策しましょう。
WTSD(Went To Showdown)とは、どのくらいの頻度でフロップ後にショーダウンまで進んだかを表した数値です。
例えばフロップに100回進み、25回ショーダウンまでたどり着いた場合はWTSD25%と表示されます。
適正値は、27-32%と言われています。この数値より多い場合は、コールしすぎな相手、低い場合はフォールドしすぎな相手です。
ショーダウンまで進む頻度は少ないため、8000ハンドほど必要です。
WSD(Won Money at Showdown)とは、どのくらいの頻度でショーダウンに進んだ際に勝ったかを表した数値です。
適正値は49-54%と言われています。適正値より低ければ、コールしすぎ、もしくはブラフし過ぎで、高ければブラフが少ないです。
WTSDと同じく8000ハンドほどで参考に出来るでしょう。
HUDの使い方は大きく分けて①対戦相手をエクスプロイト、②自分のプレイを磨くの2つがあります。
HUDの一番の使い方は、対戦相手の傾向を知り、エクスプロイトすることです。HUDの数値から対戦相手がどのような傾向があるのか、例えばブラフ頻度が高いのか、3betのレンジが広いのかを知ることが出来ます。
相手の傾向を知ることでこちら側は戦略を変更し、エクスプロイトします。バリュー頻度に偏りすぎている場合はフォールドを多くし、ブラフ頻度が多い相手にはブラフキャッチを多用します。
HUDを上手く使いこなすことで対戦相手に合わせた戦略を用いることが出来るでしょう。
HUDは自分のプレイを磨くことも出来ます。自分のプレイで各数値が適正に近いのかどうか探ります。適正値から離れている=相手からエクスプロイトされる可能性があるとなるため、プレイを修正する必要があります。
HUDの数値から自分のプレイをどう改善すべきか指標を得られるでしょう。
HUDには世界中でよく使われているツールとして、Holdem ManagerとPokerTrackerがあります。
結論から言うと、Windowsユーザの方はデザイン性とデータ分析の種類が豊富なHoldem Managerを、Macユーザーの方はMacに対応しているPokerTrackerを利用すると良いです。
HUDツールは、プレイ中に使う機能とデータベース機能の2つに分かれています。
プレイ中に使う機能では、対戦相手の様々なスタッツを表示させることが出来ます。対戦相手のVPIPはいくつで、3bet頻度はどのくらいか見ながら戦略を立てることで有利にプレイ出来るでしょう。
他にも、ハンドを読み込むことで収支や各ハンド履歴、自らのスタッツを表示させることが出来ます。自分のプレイが適正値からどれくらい離れているのかすぐに確認することが出来ます。
また、気になったハンドも復習することが出来、Holdem Managerを使うことでさらなる改善に繋がるでしょう。
PokerTrackerもHoldem Managerとほぼ同等の機能が搭載されています。ゲーム中にスタッツを表示させる機能や、
データベース機能があります。これまでのプレイ履歴やハンド別収支などを表示させることが出来ます。
唯一、Holdem Managerと大きく違う点として、Macに対応していることです。Macユーザーの方はHoldem Managerを動かすことは出来ませんので、このPoker Trackerを買うと良いでしょう。
HUDはとても効果的ですが、サンプル数と使用できるサイトの2点に注意して使用してください。
HUDの各数値によって必要なハンド数があります。例えば、VPIPの数値を参考にしようと思ったら最低でも300ハンドは必要です。300ハンドでしたら、2時間ほど同じテーブルでプレイすれば溜まりますが、例えばWSDは8000ハンドほど必要であるためレギュラー以外のプレイヤーで溜めるのは難しいでしょう。
このようにHUDは便利である一方、全てのプレイヤーに使えるわけではありません。ハンド数が20ほどでVPIPを参考にしようとしても、たまたま相手が良いハンドを持っていてVPIPが高いだけかも知れません。
HUDの数値を参考にするときは、ハンド数がしっかり溜まっているか確認しましょう。
HUDは使用できるサイトが限られています。データベース機能を使い自分のプレイを振り返ることはGGPokerやNatural8、PokerStarsのサイトで出来ますが、プレイ中に表示させることはPokerStarsでしか出来ません。
※KKPokerはそもそもハンドをダウンロードすることすら出来ず、HUDはKKPokerが提供しているものしか使えません。
プレイしているオンラインポーカーサイトがHUDを使えるか事前に調べてから使うようにしましょう。
HUDは対戦相手と自分自身の傾向を統計的に知ることが出来る良いツールです。上手く使いこなせば、最大限のエクスプロイトができ、対戦相手から多くのチップを奪えるでしょう。
ただ、HUDの数値を過信しすぎないことも重要です。数値によっては多くのハンド数を必要とし、数百ハンドでは参考にならないものも多くあります。また相手のプレイスタイルもデータ集計した時とは変わっていることもあり、これまでのショーダウンしたハンドからどうプレイしているのか探ることも時には必要です。
HUDから対戦相手の傾向を掴み、実力を伸ばしていきましょう!!